東京駅の屋根復原に、東北産スレートを利用することについて ― JR東日本からの回答(6月7日に訪問)報告 / 多児貞子

6月7日(火)午前9時過ぎにJR東日本を訪問し、4月15日に提出した要望書の正式な回答を受けました。

JR東日本は、建設工事部次長、建設工事部課長、広報部副課長の3名、
当会は前野まさる 森まゆみ 山本玲子 椎原晶子 多児貞子の5名が出席しました。

最初に、締め切り後に届いた賛同名簿992名分を手渡し、賛同者の累計は6221名になりました。賛同署名の提出は、今回の分が最終となります。

JR東日本の説明は、以下のとおりでした。

○ 4月15日以降、現地の状況が見えてきた。4月18日に現地調査に入ったところ、スレートは3割が流されていた。残ったものが使えるかどうか、熊谷産業と木村社長(雄勝天然スレート)らが、プロの目で選別した。塩害については、成分分析を行い5月末に問題ないとの分析結果が分かった。

雄勝産の新材スレートは約22000枚あったが、3割が流されて、約15000枚が使えるということで、すでに東京に向けて搬入し、正面の屋根に葺く予定。戦後復旧時に葺いたものの再利用である登米産は、劣化しているものもあり、当初約64000枚あったもののうち約45000枚が利用可能だったが最終的には、約40000枚を使う。すでに洗浄作業の終わっている分もあり、順次輸送中で今月末にはドームに葺きあがる予定。今年中には駅舎の全容が見えるだろう。

○ 東京駅のスレートについては、JR東日本も当初国産材を使用したいと考え、既存の登米産の再利用、雄勝産の新規利用を計画してきたが、再利用できない部材も多くあり、雄勝産も大量には生産できず、震災前の計画でも不足分はスペイン産で補うことになっていた。その点は理解してほしい。

震災後、4月の上旬までは現地のスレートの被災状況がわからなかったが、その後の調査で使えると判断できた国産スレートは復原工事にできるだけ使う。当初の予定より減ってしまった分はスペイン産で補っていくが、象徴的な正面屋根やドーム部分に集中して国産材を使っていく。

スレートの洗浄作業は、地元のボランティアが手伝って作業がすすめられたので、改めての作業は不要とのことでした。

○ 当会で展開している雄勝スレート産業復興応援募金は、JRと関連があるかのような誤解が生じると紛らわしいので、別途の事柄であることを周知徹底してほしい、との、ご注意を受けました。

以上

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