2012年2月26日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です
(長くなりすいません・転送自由・不要の場合ご一報を)

1月31日、福島県川内村の遠藤雄幸村長はいちはやく「帰村宣言」をしましたが、その直後、毎日新聞の報道によると、この村のミミズから2万ベクレル/kgが検出されています。そんなに簡単には行かないことを示しています。
東京でも水元公園で2万ベクレルを超える場所も見つかっています(共産党都議団)。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-22/2012022215_01_1.html
オリンピックなんて誘致している場合でしょうか。

●現地除染は、「屋根取り替えろ、舗装し直せ」
この発言は、昨年の国会証言で一躍著名になった児玉龍彦氏(東大)です。(2月11日南相馬市「南相馬市世界会議」にて(貼りませんが動画もあります))氏は「決意と覚悟をもってコストをかけた除染へ」と題して、二本松市における除染モデル住宅地での成果から、
(1) 1μSv/hでの屋根の線量低減効果は期待されないので、葺き替えること。 →Sハウスが提案・実施。
(2) 同様に、アスファルト・コンクリート舗装面は、舗装のやり直しをすること。 →Mホームが提案・実施。
氏はT工務店の顧問でもあるそうです。
南相馬市の除染業務(4月から)は、福島県の2700億円の予算のうち、400億円でゼネコン1社が落札する予定。現在6社?が公募に応じ、2月末には業者が決定とか)

●原発利用に倫理的根拠なし(抄録)・安定したエネルギー供給のための倫理委員会よりメルケル首相に報告(2011.5.30提出)
三島憲一(東経大教授)訳・解説 世界 2012.1月号(岩波)
ドイツを原発ゼロに導いた論文と言われているものです。生活者には素直にうなずける文の一部を記します。
・原子力の利用、その停止、代替エネルギーの選択などのいっさいは、技術的側面、経済的側面に先行して倫理的な評価が必要になる。
・評価の鍵は、「持続可能性(=未来にふさわしい社会形態とともにつくる環境適合性)」と「責任」である。
・これは事故から始まったことではなく、自然と人間のかかわり方を問われている。
福島事故の受け止め方(現時点では被害の全体を見通すことは出来ないが)
1)リスク感覚の変更を余儀なくされた(技術立国といわれる日本での事故。途上国ではない)
2)事故数週間経ても事故の収束が見通せない
3)事故のプロセスを見渡すと、この原発はこのプロセスを無傷で乗り越えることは出来なかった

・短期的な利益で判断は出来ない。永遠の負担となれば、対峙するのは未来の世代である。
・すべての観点から見て責任を負いうるエネルギー供給に向かうには、総合的な思考が必要である。
・リスクを純粋に技術的な側面に限るような狭隘なやり方は、総合的思考と包括的考量とはいえない。
・人間と自然に与えるリスクは、気候変動とともに国境を越え、地球がひとつの共同体になったことを示している。
・事故の確率的評価のみで原発事故は判断できない(=リスクの相対化につながるのみ)。
・原子力をめぐる対立意見の中核:巨大な損害が起こりうる事態(廃棄物も含む)
・リスクは、技術、経済、社会の各リスクが複雑に絡み合っている。
・原子力の利用は、「選択肢はない」という主張は、未決定の問題を論じる議会制民主主義への信頼を危うくする。選択肢の存在は、決定のための自由の余地を生み出す
・確率は、想定内の枠組みで設計上の限界でしか意味の無いもの
・福島で明らかになったように事故および経過を「残余リスク」として片付けるやり方は、倫理的に受け入れがたい。
・生じるあらゆる損害は、自然、食糧生産、現場近くの人々にとって、そして世界経済にとって(ほとんど)定義不能な規模となる。
・原発事故の損害は、損得の比較考量の枠内では終わらないところが問題
・環境、経済、社会と適合する度合いを考慮しながら、原発の能力をリスクの低いエネルギーで置き換えうる程度に応じて、原発の利用をなるべく早く終結させるべきという結論であった。

●友人の尼僧からの「3.11犠牲者追悼」の呼び掛け
事故以来、東大阪から継続的に相馬・南相馬に通い、追悼を行っている彼女が「ワンコイン護摩木法要」を企画しました。3月11日に相馬城跡の公園で、被害者と同じ数の2万本の護摩木を焚く法要(宗派問わない)です。
現地社会福祉協議会などの後援もありますが、全国のみなさんに500円の護摩木の寄進を呼び掛けています。ネットで支払いまで可能です。多くの皆さまのご協力をお願いいたします。以下がサイトです。
http://www.coinproject.jp/

●児島徹医師(反核医師の会代表世話人、府中診療所所長)のアドバイス
・小さな子どもさんをお持ちで、健康の心配をされている保護者の方へ「まず、体調(変化がある場合)日記をつけてください。記録することが重要です」
・花粉には、「うがい、鼻うがい(小学校高学年になれば慣れればできます)、目洗浄などでできるだけ排出させるように」

以上

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