2013年9月28日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

皆様
権上です

●住宅除染について
以前にご紹介しました「過酸化水素洗浄+モミガラ浄化」法についてその後どうなっているのかのお問い合わせをいただきました。これは安い材料と環境負荷の少ない方法で、地元企業である南相馬の庄建技術さんらを中心に実用化したものです。この方法に対して2012年11月環境省は、「モミガラ浄化の洗浄システムの機械400万円は過度の設備」等の理由で、本法を「無視」の立場を新聞公表しております。

しかし、行政などの採用はあり、この度、相馬市玉野地区150軒の除染を終えデータをシリーズ3(除染の実際)と4(データ集)として小冊子をまとめ、ご希望の方にお送りできる状態になりました。玉野地区の南は飯館、西は伊達市、北は宮城県丸森です。山間部で原発から40km以上ありながら、比較的高い線量の地でありました。相馬市長の「除染に使った水は、浄化してからでなければ川に放流しない」の方針のもと、この方法が採用されました。冊子は庄建さんの地元貢献として無料配布です。ご希望の方は私へ送り先郵便番号・住所・名前をお送りください。メール便にて順次発送いたします。(複数部も可能です。ご希望部数もください。送料もご心配無用です)

●環境省除染チーム「国及び地方自治体がこれまでに実施した除染事業における除染手法の効果について」(2013年1月公表) 続きを読む

2013年4月22日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

汚染水問題その3です。
訂正です。汚染水の核種は公表されていないのではなく、これまで報道が少なかったようです。4月20日にいろいろな新聞にも見られましたが、ストロンチウム90、セレン79、水素3などが主成分の核種といえそうです。多核種除去装置対象核種が62種だそうで、専門分野では当たり前のことでしょうが、 放射性物質の数の多さを突きつけられます。

水素3は、最近報道が多いトリチウムで、ほとんど水と同じ成分と言えるため、除去の方法がないそうです。これが漏れした汚染水の主ではないかと言う専門家のご指摘もいただきました。

●10年で汚染水は海へ到達
同じく20日の新聞で報道されました。これは、土壌の透水係数(土中の水の流れやすさを示すもので、値が大きいほど水が流れやすいことを示す)により算出されたものです。この値のとり方で、どうにでもなりますし、また長ければいいと言うことにもなりません。仮にサイト内がきれいに片付いても、10年後に汚染水が海に現れます。地震、津波によるひび割れや水みちへの考慮が必要と言われる専門家もおられます。

●貯水槽構造について
いくつかの質問をいただきました。いろいろ調べましたが一般論として読んでください。

【漏水感知センサーの密度は?】
通常は10mか5mグリッドでの検知で行っているようです。今回の大きさを考えれば5mを敷設がこの用途の常識か。

【第2貯水池の上を人が歩いている。どうなっているの?】
第2の汚染水移送が難航しているのは、蓋掛けしてしまったためと言われています。蓋材をかけただけではたわみますので、下側にブイのようなプラスチックボールでたわみを防ぐのだそうです。蓋材は、おそらく高分子材料、遮蔽のために、その上に土盛りをするのだそうです。

【下面のシートの上においたコンクリートが割れてシートを破いた報道(福島民報2013.4.20)】

東電が4つの原因(底のひび割れ、のり面接触部、のり面の孔付近、貯水槽の角の防水シートの継ぎ目)の推定を公表「いずれも水圧で構造物破損と推定」
どれをとっても4面コンクリート構造物にする必要があったことを示しているのではないでしょうか?水位4mで底がひび割れだとしたら、コンクリート厚は薄いものだという指摘もありました。

【大量の水を溜めるための構造物か】
産廃処分場で使われるもので、大量の水は初めての事例でしょう。エンジニアの方から、初めての技術を使うための「技術の予見可能性」についてメールをいただきましたので、許可をいただき以下に記載します。

「技術というものは、科学的知見および過去の経験則を踏まえ、一定程度の予見を固め たうえで実施されるものである。一定の予見の基に行われるから、その結果は多くの場合はその予見の通りに実現される。大きなエンジンを積んだ車を作ればエンジンが大きくなった分だけ速度を向上できるというようなものである。しかし、技術の予見可能性とは絶対の予言ではない。言葉の真の意味での「想定外」というものが常につきまとうのであり、それが技術の難しさである。今回の大量漏洩事故については、東電は、爆発事故直後に、暫定での貯留をせざるを得なかったとして、そのための貯留池を作ったときに並行して同型の貯留池を作って常に貯留水の厳格な管理を続け、さらに恒久的な貯留槽を準備するということが唯一のあるべき方策であった。未確認の技術を適用する場合には、必ず失敗の可能性があることを認識し、失敗の予兆を掴み、失敗時の対応策を準備しながら稼働させることは常識中の常識である。この技術の原則を軽んじた東電は、あらためて原子力技術を扱う資格がない と断罪されるべきであろう」

●「すずらん」という低濃度放射性核種除去専用船をご存知の方おられますでしょうか?
原子力潜水艦が放射性物質を垂れ流すのに対して、日本が旧ソ連に贈ったものだそう。 今回の事故に際して、戻そうかの打診に日本はなにも返事をせず、そのままになっているのだそう。これは使えないのでしょうかねえ。
以下外務省のHPです。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/kyuso/suzuran.html

以上

2013年4月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

汚染水問題その2です。

先日のメールで、私の疑問への回答やご意見などたくさんいただきました。ありがとうございました。
さらに基本へ戻るかもしれませんが、続けて考えていきたいと思います。

●まとめ●
・事故を起こした地下貯水槽1~3号の貯水量は、3万8000トン、容量は代々木国立体育館プールの約50.7個分
・穴掘って、ポリシートに水を直接ためる設備は、農業用溜め池にしか例はないのではないか
・産業廃棄物処分場で雨水漏れを起こしていることは、東電と保安院は承知していて2重シートを3重シートにして
 安全性を確保したと言う見解
・使用後1ヵ月もたたない段階での事故
・核種については、公表はない
・最も漏水量の多い2号で120トン、含まれる放射性物質、7100億ベクレル
 (計算をすると130トン、7200億ベクレルと公表値は低い!?)
・この量は、2011.4.4~4.4.10の意図的放出や同5.10~5.11の漏水に放射性物質量と同等のオーダー
・公表された漏水の濃度から2号貯水槽の放射性物質の総量を求めると78兆ベクレルで
 2011.4.1~4.6の漏洩の約1000分の1のオーダーに相当する高濃度である。

・・・・・・まとめを得た根拠・・・・・・

【事故が起こった地下貯水施設について】
(1)問題の地下貯水槽は汚染水対策の最も主要な設備であった。代々木国立体育館のプール(50×12×1.25m=750m³=750トン)を枡にして比べると、
   容量(東洋経済2013.4.9より) 代々木プール枡の
   第1号;     1万3000トン      約17.3個分
   第2号;     1万4000トン      約18.7個分
   第3号;     1万1000トン      約14.7個分
   合計       3万8000トン      約50.7個分
   いかに膨大な汚染水を受け取る施設だったかがわかります
         
(2)(前回の私の疑問でもありました)穴掘って、3重シートに直接貯水する施設は、農業用水の溜め池程度の事例はあるそうです。しかし、農業用水溜め池は、3-5%の漏水率を認められているものです(=このくらいは漏れてもいい、もちろん放射性物質を含む水ではありません)

(3)保安院、東電はシート方式は雨水もれをおこすことを承知の上で許可・使用していた。全国で400ヵ所の産業廃棄物処分場(ベントナイトシートとポリエチの二重構造)で雨水漏れを起こしているが、もう一枚ポリエチシートを加え、3層にして安全とした。(16日東電記者会見,福島民報2013.4.17)

(4)2013年2月に貯水を始め、3月にはや漏水が確認したようだ(東京新聞2013.4.7)。劣化や腐食の問題が言えないことを表している(=根本的施工計画の問題)

(5)汚染水に含まれる核種は、(私の調べた範囲では)公表されていない以下はみなさまからいただいたご意見です(ここでは正否の判断はいたしません)。
   ・多核種除去装置(アルプス)はまだ試運転段階で本格稼働とは言えない現状
   ・サリー(SARRY)東芝製は稼働しており、ゼオライトによりセシウムの回収はしている
   ・核分裂生成物中の希ガスや蒸気圧の低い気化しやすい元素はもう抜けきり、
    それよりも大量に含まれているのがトリチウムH3と炭素14ではないか?
   ・いまも原発では核反応がすすみ、日々生まれているヨウ素
    (水溶性=水に溶けやすい,陰イオンはゼオライトでは回収できないためサリーを通過しても回収できない)が主であろう
   ・ストロンチウム90,ルテニウム106,セシウム137,セリウム144,セシウム134が2年経過後の主の残存核種

(6)漏洩量(放射性物質量)を2号貯水槽について、専門職の方に算出いただきました。
  (根拠となる数字は、福島民報2013.4.7)
  ①大きさ(地表部):縦62m・横55m・深さ6m
  ②漏水量:120トン
  ③含まれる放射性物質:7100億ベクレル(→600万ベクレル/kg×120000kg=7200億ベクレルとなるのですが、100億ベクレル少ない)
  ④水位の低下量:4cm→0.04m
  ⑤原子炉の冷却水から放射性セシウムを除去した汚染水である
  ⑥漏水の分析結果:6000ベクレル/1cm³ (トン単位の水が漏洩しても放射性物質濃度は角砂糖程度(1cm³)の量の濃度で表示されます)→600万ベクレル/kg
  ⑦当時の貯水量:13000トン

試算の過程
1) 2号の総貯水容量を求めます:(地下貯水槽は上が大きい台形の形状)
      ①から掘削勾配1:0.5(岩盤掘削)と仮定して
     (62+56)/2×(55+49)/2×6≒18000トン→漏水時⑦の貯水率は、約70%であった。
2) ⑦のときの貯水位:61m×54m×4m≒13000トン→約4mであった。
3) ④から、61m×54m×0.04m≒130トン→報道では120トンと記載→ここも10トン少なく広報か?

【事故直後の意図的放出量との比較】
1) 放射性ヨウ素の放出量 15;乗数(上付き)の意味
  2011年4月1日~2011年4月6日間の漏洩   :I―131  2.8×1015ベクレル
  2011年4月4日~2011年4月10日間の意図的放出:核種不明  9.4×1011ベクレル
  2011年5月10日~2011年5月11日間の漏洩 :I―131  8.5×1011ベクレル

2) 前述のように汚染水は、2号貯水槽からの漏水120トンで7100億ベクレル(Bq)として、濃度は約600万Bq/kgとなります。
 2号貯水槽の放射性物質の総量:600万/kg×1000(1トンあたりへの換算で)×13000トン=7.8×1011ベクレル→78兆ベクレル

3) 2号貯水槽全体の放射性物資量(ベクレル)は、2011.4.1~4.6間の漏洩の約1000分の1のオーダーに相当する。
4) 漏洩した120トンの汚染水は、2011.4.4~4.4.10の意図的放出や同5.10~5.11の漏水に放射性物質量と同等のオーダーといえる。

(以上)

2013年4月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

地下貯水槽汚染水漏れ問題が取り上げられている昨今ですが、基本的なことから考えてみたいと思います。この分野に詳しい専門職の方に解説いただきました。難しく感じる方もおられると思いますが、読んでください。これから少なくとも数十年は、確実に汚染水問題と向き合わなければいけない日本です。

【構造】
地下貯水槽の遮蔽処理に使用されたシートは、上部2層がポリシート、最下層は、ベントナイト(粘土鉱物)を縫い込んだシートの3層構造になっています(ベントナイトは乾燥状態、硬い粒状)。

【これまでの用途】
仮置き場、地下水位(←例;地下水位が高いと掘った穴の底部に貼ったシートが水浸しになるような意味。*ここが重要です)のない深さに掘り込んで、フレコンバッグ(廃棄物を入れる袋)を重ね、これをシートで覆い、30cmの土を被せる仕様として、その最も底部用に開発されたもの

【ベントナイトの役割】
バッグから放射性物質が漏れた場合(水分とともに漏れ出る)、このベントナイトが有効なバリアーとなります。この仮置き場の掘削深度の設定は、地下水位のないレベルまでとされています(現地でボーリング調査する目的は、地下水位の把握)。

ベントナイト遮蔽は、元々、地下埋設の放射性廃棄物処理場の遮蔽材の最も外側に使用されているもので(コンクリート遮蔽体の外周)、ベントナイト鉱物が3重の層状となっていることから、この層を通過しての汚染水の透水係数が極小さくなり、放射性物質の漏洩の低減化をはかるものです(遮水のためのメンブレン効果と呼称されます)。

【今回の汚染水漏れ】
今回の最も大きな問題は、地下水位のない部分の掘削等ではあったが、むしろ、その目的が、水を溜めることです。恐らく、福島第一以外に水を溜める目的の施工例が初めてなのではないでしょうか?

【ベントナイト遮蔽の問題点】
今回の地中埋設では、注水水深が小さく、徐々に溜めていくことから拘束圧力が小さく、この段階で漏水があれば(ポリシートの接合不良等で少量の漏水)、ベントナイトの膨張を許すことになり、ベントナイトがふやけてしまって、遮蔽効果がなくなることが容易に予想されます。
⇒ベントナイトは一旦吸水・膨張すると膨潤圧が大きくなっていく
⇒注水深がそれほど大きくない(=圧力がかかっていない)ため、膨潤を大きくゆるす
⇒やがて無限大に水分を吸収して、トロトロのお粥状になる
⇒多量の漏水を許すことになる
⇒基本的な欠陥と考えられる

このような施工計画では、設計にあたり、まず、遮水シートをあらかじめ圧迫して抑えておく必要があります(ベントナイトの膨潤抑制工の必要性)。このため、コンクリート等の上載荷重を効かせての併用施工(プレストレスと呼称されます)が必要であったと考えられます。ポリのシートからの漏水は、普通にみられる現象であり、このため、産廃処理場では、一般に漏水監視体制(電気伝導度での監視システム)を行っています。

●そこで疑問です
根本的な施工計画の欠陥と言えるのではないでしょうか?
そもそも(汚染でなくても)水を溜めることができるものなのでしょうか?
廃棄物を入れたフレコンバックを隔離するためのものではないのでしょうか?

●汚染水の海への流出は指摘されていた
2012年10月Scienceにて
海洋化学者ケン・ブッセラー(米 ウッズホール海洋研究所)は、青森から千葉までの県別に底魚のセシウム濃度を調べ、福島沖の結果が下がらないことから、放射性物質の流出が続いているのではないかと指摘。(以下の3枚目の図をご覧ください)
http://cafethorium.whoi.edu/website/publications/Science-2012-Buesseler-480-2.pdf

2013年3月
東京海洋大学神田穣太教授らの試算
福島第一港湾内で汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月から約1年4ヵ月間に計約17兆ベクレルの放射性セシウムが海に流れ込んだおそれと試算。東電は2011年4月に1週間で意図的に放出した汚染水放射性物質総量を1500億ベクレルと推計しているが、これの100倍以上にあたる(共同配信、以下東京新聞2013.3.24)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013032402000124.html

●貯水槽からの汚染水が海へ流れるか
東電は海までの距離があるから流出はないとしてます。たしかに排水路など経由はないかもしれません。しかし、地下へ浸透、それが海底面から湾内へ排出されることは十分に予想されます。 (産業総合研究所の論文があります)

2年を経過して、配電盤ネズミといい、おざなりな対応が生んでいる当然の帰結といえましょうか?
(以上)

2013年1月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

●今晩ですが、「シリーズ東日本大震災「空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」が放映されます。
1月12日(土)午後9時からNHKスペシャルで『シリーズ東日本大震災「空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」』が放映されます。
以下、NHKから:
2013年1月12日(土) 午後9時00分~10時13分
2013年1月19日(土)午前1時30分~2時43分(18日深夜)(再放送)

福島第一原発事故の後、政府や東京電力は各種調査に基づき、一般住民に対する放射能の健康影響はほとんど無いと説明してきた。しかし見過ごされている被ばくがある。事故直後に大量放出された放射性物質・ヨウ素131の影響だ。この放射性物質はチェルノブイリ事故後に急増した子どもの甲状腺ガンとの因果関係が科学的に立証されている。ただし半減期8日と短時間で消滅するため、放出直後の被ばく回避措置、そしてヨウ素が消える前の正確な被ばく調査が重要となる。ところが今回はいずれも行われなかった。その結果として、被災地では事故から1年半を過ぎて乳幼児を抱えた親たちの間で不安が膨らみ続けている。

被災者にとってヨウ素被ばくの目安を知っておくことは、今後のガン検診や予防対策に決定的な意味を持つ。住民の切実な要望にこたえようと、研究者がヨウ素被ばく量の実態に迫ろうとしている。また一方では、放射能測定や気象の専門家チームがセシウムではなくヨウ素の放射能汚染地図を作成に挑んでいる。様々なアプローチによってヨウ素被ばくの空白が明らかになる中、汚染にさらされた福島県の自治体は独自の健康対策に乗り出し始めた。番組では最新の科学技術によって失われた時をさかのぼる研究者たちの実証的な知見を総合し、初期被ばくの実態を解き明かす。

●双葉町・井戸川町長について
議会側の町長不信任はメディアに取り上げられるが、町長側の声が聞こえてこないとおもっていましたが、少し前の週刊金曜日にインタビューがありました。福島県小高工業高校機械科出身、事故前も原発の安全性にはしつこく問い合わせを続けていたという。町の財政再建のため、2008年から実質町長手当てがゼロできている。
「双葉町民はすでに十分被ばくしている。これ以上の被ばくを避けたいのだ」
「現時点での除染で線量低くなっても危険性が残ればこどもたちを住まわせることはできない」
「安全な場所に仮の町をつくるような長期展望が中央官僚からは聞こえてこない」
「原発は魔物です。人の主義主張を根本から変える」
「双葉町は原発で裕福だったは、嘘。電源3法交付金制度のできる7年も前の原発で対象外。
また、交付金があれば、地方交付税も減らされる。原発があるが故の貧乏」
「会議欠席は、事前質問状の回答がなく、環境省を信頼できない。人口密集地への中間貯蔵施設計画には納得はできない」
など、うなずけるお話です。除染の国策に異を唱えることへの圧力と感じてしまいます。
以下のブログに動画などもあります。ご参考まで。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2656.html

以上

2012年12月2日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

出張や遠出ばかりの11月で、気がついたら12月になっていました。

1)南相馬市の庄建技術さんで、「放射性物質除染法解説シリーズ2-水田土壌のための-農業用水のモミガラ除染」リーフレットを発行しております。
シリーズ1のように若干部をいただいておりますので、ご希望の方は、私に送り先・住所をメールをいただければ、メール便にて送らせていただきます。(部数も複数部可能ですので、ご希望部数もお願いします)

2)「高い確率のこどもの甲状腺異常とモニタリングポストの線量が低く出ること」
第2ドイツテレビZDFのニュース番組です。日本語解説文つき(短いです)

ここに登場する甲状腺の専門医鈴木真一氏は、事故当時「ヨウ素剤を医師の指示なしに勝手に飲むな」と言った方のようです。

かつて大気汚染の問題で、嵯峨井勝先生(ディーゼル排気粒子の健康影響を明らかにされた元国立環境研究所研究員)のお話ですが、「国別の肺がんだったか呼吸器の病気と最も相関関係の大きい事項は、固定電話の普及率だった」と伺った記憶があります。このように線量の高さと異常の率だけで物が言えるとは思いませんが、なにより事故当時の被ばく量がまったくわからない状態では、永久に闇のなかでしょうね。(これが狙いなんでしょうが)

このような人口に対する疾病率のような統計を扱う学問を「疫学」と言いますが、1990年代の時点でも日本の疫学は風前の灯(つまり研究予算がつかない)、壊滅に近い状態だったことを思うと今後、福島事故影響を明らかにすることも非常に厳しい作業と思います。

もう一点、文科省のモニタリングポストがどこも低い値を示すと出てきます。地元の方のお話では、「これは、予備電源の鉛蓄電池の遮蔽効果で、影響ないように改善する」と文科省も認めているのだそう。信じがたいですね。飯館のモニタリングポストの周りは徹底的に除染されているそうですが、実態把握というこれらの目的をなんと考えているのでしょうか?

(以上)

2012年10月16日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

●原発と機械安全
「動かした機械は止められなければいけない」という機械安全の原則は、原発にも適用させなければいけないと素朴に思うのですが、そうなっていない現実です。この解説を16日20時から動画で見ることができます。クレヨンハウスブックレットでもおなじみの後藤政志さん(元東芝・格納容器設計者)のブログです。
http://gotomasashi.blogspot.jp/

第3回目 技術における安全性 佐藤国仁氏(技術者教育、安全性、技術者倫理の専門家) 10/16 20時よりUsereamで配信
<以下配信済みのものも、動画で見れます>
第1回目 オスプレイ  10/5配信済み
第2回目 徹底検証21世紀の全技術より、輸送の安全性 10/10配信済み 続きを読む

2012年9月22日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

●先月ご案内しました、「過酸化水素+モミガラ方式」屋根等除染について、多くの反響をいただき、ありがとうございました。
しかし、現状は、伊達市と郡山市(私の知る限り)は、「屋根の除染は行わない」と決めたそうです。
こういう手があるのですね。住民の健康を守ると言う視点は全く持ち合わせていないのでしょうか。
屋根は、家主の被ばく線量を下げるためには最も要求の高い除染場所なのです。
来週、東京でおおきな除染の展示会があります。庄建技術さんも出展します。興味のあるかたは、現物を会場でご覧ください。(竹橋 科学技術館・9月24~26日 10時~17時 入場無料)
http://www.radiex.jp/

●医療の世界でも同様のことが起こっているようです。
以下は医療ガバナンス学会のHPで、亀田総合病院の小松先生が、相馬・南相馬のホールボディカウンターで調査を続けている坪倉先生とこれを阻む南相馬市副市長(総務省出身)のやり取りを紹介しています。
専門職の役割や倫理をナチの例等をひきながら、明快に述べておられます。
少し長いですが、頑張って読む価値は大きいです。
http://medg.jp/mt/2011/12/vol35012.html

●現役の大学院生の文に感銘を受けました。許可をいただき、ご紹介します。読んでいただければわかるように機械系の学生さんです。この短文に事故の問題点や私たちに求められていることが盛り込まれています。 続きを読む