2012年12月2日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

出張や遠出ばかりの11月で、気がついたら12月になっていました。

1)南相馬市の庄建技術さんで、「放射性物質除染法解説シリーズ2-水田土壌のための-農業用水のモミガラ除染」リーフレットを発行しております。
シリーズ1のように若干部をいただいておりますので、ご希望の方は、私に送り先・住所をメールをいただければ、メール便にて送らせていただきます。(部数も複数部可能ですので、ご希望部数もお願いします)

2)「高い確率のこどもの甲状腺異常とモニタリングポストの線量が低く出ること」
第2ドイツテレビZDFのニュース番組です。日本語解説文つき(短いです)

ここに登場する甲状腺の専門医鈴木真一氏は、事故当時「ヨウ素剤を医師の指示なしに勝手に飲むな」と言った方のようです。

かつて大気汚染の問題で、嵯峨井勝先生(ディーゼル排気粒子の健康影響を明らかにされた元国立環境研究所研究員)のお話ですが、「国別の肺がんだったか呼吸器の病気と最も相関関係の大きい事項は、固定電話の普及率だった」と伺った記憶があります。このように線量の高さと異常の率だけで物が言えるとは思いませんが、なにより事故当時の被ばく量がまったくわからない状態では、永久に闇のなかでしょうね。(これが狙いなんでしょうが)

このような人口に対する疾病率のような統計を扱う学問を「疫学」と言いますが、1990年代の時点でも日本の疫学は風前の灯(つまり研究予算がつかない)、壊滅に近い状態だったことを思うと今後、福島事故影響を明らかにすることも非常に厳しい作業と思います。

もう一点、文科省のモニタリングポストがどこも低い値を示すと出てきます。地元の方のお話では、「これは、予備電源の鉛蓄電池の遮蔽効果で、影響ないように改善する」と文科省も認めているのだそう。信じがたいですね。飯館のモニタリングポストの周りは徹底的に除染されているそうですが、実態把握というこれらの目的をなんと考えているのでしょうか?

(以上)

2012年12月2日 おそれて、こわがらず / 権上かおる」への1件のフィードバック

  1. 権上さん、拝読しました。いつも参考になります。ありがとうございます。
    私の最近の関心は、先月、国連人権理事会特別報告者アナンド・グローバー氏が来日して行った、日本において「健康を享受する権利」が機能していたか、についての調査とその報告です。
    疫学的調査についての信憑性がまったくない福島県県民健康管理調査のいかさまぶりと、県内での安全キャンペーンは「健康を享受する人権」に真っ向から反するものです。
    それに対して、本当は当事者である福島の人自身が怒りを持って告発しなければならないし、東日本在住者もその被曝体験を、もっと重く受け止めなければならないのですが、何事も「外」から示唆・指摘されなければ動かない変わらない日本の現実に、言い知れぬ悲しみを覚えます。
    また、いろいろと震災字報に載せてください。

コメントを残す