2014年7月13日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

●2014.7.4 南相馬市の防災集団移転用地の発掘調査説明会がありました。
「避難者のための住宅建設に着手したら、遺跡を発見」と、ここまではよくあるお話ですが、「この遺跡が貞観地震で被災した人たちの仮設住宅の可能性がある」ということで、地元の大きな話題を呼んだそうです。
平安時代も平成の世も人間はそれほど変わらないと言えるのでしょうか?
http://www.culture.fks.ed.jp/iseki/A04/f14.html

「貞観地震(じょうがんじしん)は、平安時代前期の貞観11年5月26日(ユリウス暦869年7月9日)に、日本の陸奥国東方沖(日本海溝付近)の海底を震源域として発生したと推定されている巨大地震。地震の規模は少なくともマグニチュード8.3以上であったとされる。地震に伴って発生した津波による被害も甚大であった」そうです。この地震を東電は知っていたとか知らないといったとかで事故後話題になった今回と同規模の地震です。

●福一事故の取材を精力的にされているまさのあつこさんからの紹介です。
多くの方に読んでいただきたいとのメッセージつきです。

暑い夏がやってきた!だが、
東電は原発再稼働なしで、関電・九電に売るほどの電力がある(上)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20140712-00037340/

東電は原発再稼働なしで、関電・九電に売るほどの電力がある(下)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20140713-00037343/

●家畜と農地の管理研究会2014年公開シンポジウム
– 農家と研究者たちの挑戦から?えてきた未来-
福島第?原発事故
帰還困難区域で?きる?が教えてくれるもの
http://liffn.jp/topics/20140623_press_release.pdf

私は行かれないのですが、どなたか行かれれば、お話聞かせてください。

(以上)

「除染情報手渡しの会」を開催 ~福島では今、何が起こっているの? 現地のリアルな除染情報に触れました~

IMG_49746月7日10時30分から、谷根千・駒込・光源寺隊が主催して「除染情報手渡しの会」を開きました。会場は光源寺の蓮華堂、文京区社会福祉協議会と〈谷中の家〉の協力を得て、3名の参加者とスタッフ2名の計5名が、権上かおるさん(環境カウンセラー・NGO酸性雨調査研究会)のお話を聞きました。
開催当日は、交通機関に支障が出ることも予想されるほどの激しい雨だったため参加できなかった方もいましたが、〈手渡しの会〉のネーミングのとおり、聞き手が話し手とごく近く接することができる会となり、予定を30分超えた12時半近くまで、熱心な質疑応答の時間も持てました。福島の除染情報手渡し会レジメ 続きを読む

第23回月1原発映画祭/交流カフェ 報告「福島の除染現場と甲状腺検査を追う」

震災から3年目を迎える節目の月、3月1日(土)の第23回月1原発映画祭/交流カフェは福島の今を知る集いとしたいと思います。

除染の現場に通って調査を続けている権上(ごんじょう)かおるさんと、甲状腺検査の動きを追っている菊池京子さんのおふたりにお話をしていただきます。

交流カフェは美味しいミネストローネをご用意。温まりながらたくさん語り合いましょう。ご参加お待ちしています!

チラシ画像はこちら http://www.jtgt.info/sites/default/files/2014-02-16-1.pdf

■日時:3月1日(土)開場17:30
18:00~19:00 報告:福島の除染現場と甲状腺検査を追う
19:10~20:30 交流カフェ
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2013年12月11日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です

●2013年12月11日の河北新報(宮城)によると

「福島第1 護岸の井戸150万ベクレル 最高値また更新
 東京電力は10日、福島第1原発1、2号機の護岸付近にある観測用井戸から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり150万ベクレル検出されたと発表した。
 水は9日に採取。5日に記録した最高値(140万ベクレル)を更新した。ストロンチウム90の法定基準は30ベクレル。観測用井戸の地下周辺には高濃度の汚染水がたまっているトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)がある。東電は「トレンチの汚染水が漏れ出した可能性がある」と説明した」

130万ベクレルの最高値報道が12月4日、日に日に最高値を更新しています。しかもストロンチウムが最も疑われるβ線です。人類最悪の海洋汚染が予想を超える勢いで続いていると認識せざるを得ないでしょう。
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2013年9月28日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

皆様
権上です

●住宅除染について
以前にご紹介しました「過酸化水素洗浄+モミガラ浄化」法についてその後どうなっているのかのお問い合わせをいただきました。これは安い材料と環境負荷の少ない方法で、地元企業である南相馬の庄建技術さんらを中心に実用化したものです。この方法に対して2012年11月環境省は、「モミガラ浄化の洗浄システムの機械400万円は過度の設備」等の理由で、本法を「無視」の立場を新聞公表しております。

しかし、行政などの採用はあり、この度、相馬市玉野地区150軒の除染を終えデータをシリーズ3(除染の実際)と4(データ集)として小冊子をまとめ、ご希望の方にお送りできる状態になりました。玉野地区の南は飯館、西は伊達市、北は宮城県丸森です。山間部で原発から40km以上ありながら、比較的高い線量の地でありました。相馬市長の「除染に使った水は、浄化してからでなければ川に放流しない」の方針のもと、この方法が採用されました。冊子は庄建さんの地元貢献として無料配布です。ご希望の方は私へ送り先郵便番号・住所・名前をお送りください。メール便にて順次発送いたします。(複数部も可能です。ご希望部数もください。送料もご心配無用です)

●環境省除染チーム「国及び地方自治体がこれまでに実施した除染事業における除染手法の効果について」(2013年1月公表) 続きを読む

2013年4月22日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

汚染水問題その3です。
訂正です。汚染水の核種は公表されていないのではなく、これまで報道が少なかったようです。4月20日にいろいろな新聞にも見られましたが、ストロンチウム90、セレン79、水素3などが主成分の核種といえそうです。多核種除去装置対象核種が62種だそうで、専門分野では当たり前のことでしょうが、 放射性物質の数の多さを突きつけられます。

水素3は、最近報道が多いトリチウムで、ほとんど水と同じ成分と言えるため、除去の方法がないそうです。これが漏れした汚染水の主ではないかと言う専門家のご指摘もいただきました。

●10年で汚染水は海へ到達
同じく20日の新聞で報道されました。これは、土壌の透水係数(土中の水の流れやすさを示すもので、値が大きいほど水が流れやすいことを示す)により算出されたものです。この値のとり方で、どうにでもなりますし、また長ければいいと言うことにもなりません。仮にサイト内がきれいに片付いても、10年後に汚染水が海に現れます。地震、津波によるひび割れや水みちへの考慮が必要と言われる専門家もおられます。

●貯水槽構造について
いくつかの質問をいただきました。いろいろ調べましたが一般論として読んでください。

【漏水感知センサーの密度は?】
通常は10mか5mグリッドでの検知で行っているようです。今回の大きさを考えれば5mを敷設がこの用途の常識か。

【第2貯水池の上を人が歩いている。どうなっているの?】
第2の汚染水移送が難航しているのは、蓋掛けしてしまったためと言われています。蓋材をかけただけではたわみますので、下側にブイのようなプラスチックボールでたわみを防ぐのだそうです。蓋材は、おそらく高分子材料、遮蔽のために、その上に土盛りをするのだそうです。

【下面のシートの上においたコンクリートが割れてシートを破いた報道(福島民報2013.4.20)】

東電が4つの原因(底のひび割れ、のり面接触部、のり面の孔付近、貯水槽の角の防水シートの継ぎ目)の推定を公表「いずれも水圧で構造物破損と推定」
どれをとっても4面コンクリート構造物にする必要があったことを示しているのではないでしょうか?水位4mで底がひび割れだとしたら、コンクリート厚は薄いものだという指摘もありました。

【大量の水を溜めるための構造物か】
産廃処分場で使われるもので、大量の水は初めての事例でしょう。エンジニアの方から、初めての技術を使うための「技術の予見可能性」についてメールをいただきましたので、許可をいただき以下に記載します。

「技術というものは、科学的知見および過去の経験則を踏まえ、一定程度の予見を固め たうえで実施されるものである。一定の予見の基に行われるから、その結果は多くの場合はその予見の通りに実現される。大きなエンジンを積んだ車を作ればエンジンが大きくなった分だけ速度を向上できるというようなものである。しかし、技術の予見可能性とは絶対の予言ではない。言葉の真の意味での「想定外」というものが常につきまとうのであり、それが技術の難しさである。今回の大量漏洩事故については、東電は、爆発事故直後に、暫定での貯留をせざるを得なかったとして、そのための貯留池を作ったときに並行して同型の貯留池を作って常に貯留水の厳格な管理を続け、さらに恒久的な貯留槽を準備するということが唯一のあるべき方策であった。未確認の技術を適用する場合には、必ず失敗の可能性があることを認識し、失敗の予兆を掴み、失敗時の対応策を準備しながら稼働させることは常識中の常識である。この技術の原則を軽んじた東電は、あらためて原子力技術を扱う資格がない と断罪されるべきであろう」

●「すずらん」という低濃度放射性核種除去専用船をご存知の方おられますでしょうか?
原子力潜水艦が放射性物質を垂れ流すのに対して、日本が旧ソ連に贈ったものだそう。 今回の事故に際して、戻そうかの打診に日本はなにも返事をせず、そのままになっているのだそう。これは使えないのでしょうかねえ。
以下外務省のHPです。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/kyuso/suzuran.html

以上

2013年4月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

汚染水問題その2です。

先日のメールで、私の疑問への回答やご意見などたくさんいただきました。ありがとうございました。
さらに基本へ戻るかもしれませんが、続けて考えていきたいと思います。

●まとめ●
・事故を起こした地下貯水槽1~3号の貯水量は、3万8000トン、容量は代々木国立体育館プールの約50.7個分
・穴掘って、ポリシートに水を直接ためる設備は、農業用溜め池にしか例はないのではないか
・産業廃棄物処分場で雨水漏れを起こしていることは、東電と保安院は承知していて2重シートを3重シートにして
 安全性を確保したと言う見解
・使用後1ヵ月もたたない段階での事故
・核種については、公表はない
・最も漏水量の多い2号で120トン、含まれる放射性物質、7100億ベクレル
 (計算をすると130トン、7200億ベクレルと公表値は低い!?)
・この量は、2011.4.4~4.4.10の意図的放出や同5.10~5.11の漏水に放射性物質量と同等のオーダー
・公表された漏水の濃度から2号貯水槽の放射性物質の総量を求めると78兆ベクレルで
 2011.4.1~4.6の漏洩の約1000分の1のオーダーに相当する高濃度である。

・・・・・・まとめを得た根拠・・・・・・

【事故が起こった地下貯水施設について】
(1)問題の地下貯水槽は汚染水対策の最も主要な設備であった。代々木国立体育館のプール(50×12×1.25m=750m³=750トン)を枡にして比べると、
   容量(東洋経済2013.4.9より) 代々木プール枡の
   第1号;     1万3000トン      約17.3個分
   第2号;     1万4000トン      約18.7個分
   第3号;     1万1000トン      約14.7個分
   合計       3万8000トン      約50.7個分
   いかに膨大な汚染水を受け取る施設だったかがわかります
         
(2)(前回の私の疑問でもありました)穴掘って、3重シートに直接貯水する施設は、農業用水の溜め池程度の事例はあるそうです。しかし、農業用水溜め池は、3-5%の漏水率を認められているものです(=このくらいは漏れてもいい、もちろん放射性物質を含む水ではありません)

(3)保安院、東電はシート方式は雨水もれをおこすことを承知の上で許可・使用していた。全国で400ヵ所の産業廃棄物処分場(ベントナイトシートとポリエチの二重構造)で雨水漏れを起こしているが、もう一枚ポリエチシートを加え、3層にして安全とした。(16日東電記者会見,福島民報2013.4.17)

(4)2013年2月に貯水を始め、3月にはや漏水が確認したようだ(東京新聞2013.4.7)。劣化や腐食の問題が言えないことを表している(=根本的施工計画の問題)

(5)汚染水に含まれる核種は、(私の調べた範囲では)公表されていない以下はみなさまからいただいたご意見です(ここでは正否の判断はいたしません)。
   ・多核種除去装置(アルプス)はまだ試運転段階で本格稼働とは言えない現状
   ・サリー(SARRY)東芝製は稼働しており、ゼオライトによりセシウムの回収はしている
   ・核分裂生成物中の希ガスや蒸気圧の低い気化しやすい元素はもう抜けきり、
    それよりも大量に含まれているのがトリチウムH3と炭素14ではないか?
   ・いまも原発では核反応がすすみ、日々生まれているヨウ素
    (水溶性=水に溶けやすい,陰イオンはゼオライトでは回収できないためサリーを通過しても回収できない)が主であろう
   ・ストロンチウム90,ルテニウム106,セシウム137,セリウム144,セシウム134が2年経過後の主の残存核種

(6)漏洩量(放射性物質量)を2号貯水槽について、専門職の方に算出いただきました。
  (根拠となる数字は、福島民報2013.4.7)
  ①大きさ(地表部):縦62m・横55m・深さ6m
  ②漏水量:120トン
  ③含まれる放射性物質:7100億ベクレル(→600万ベクレル/kg×120000kg=7200億ベクレルとなるのですが、100億ベクレル少ない)
  ④水位の低下量:4cm→0.04m
  ⑤原子炉の冷却水から放射性セシウムを除去した汚染水である
  ⑥漏水の分析結果:6000ベクレル/1cm³ (トン単位の水が漏洩しても放射性物質濃度は角砂糖程度(1cm³)の量の濃度で表示されます)→600万ベクレル/kg
  ⑦当時の貯水量:13000トン

試算の過程
1) 2号の総貯水容量を求めます:(地下貯水槽は上が大きい台形の形状)
      ①から掘削勾配1:0.5(岩盤掘削)と仮定して
     (62+56)/2×(55+49)/2×6≒18000トン→漏水時⑦の貯水率は、約70%であった。
2) ⑦のときの貯水位:61m×54m×4m≒13000トン→約4mであった。
3) ④から、61m×54m×0.04m≒130トン→報道では120トンと記載→ここも10トン少なく広報か?

【事故直後の意図的放出量との比較】
1) 放射性ヨウ素の放出量 15;乗数(上付き)の意味
  2011年4月1日~2011年4月6日間の漏洩   :I―131  2.8×1015ベクレル
  2011年4月4日~2011年4月10日間の意図的放出:核種不明  9.4×1011ベクレル
  2011年5月10日~2011年5月11日間の漏洩 :I―131  8.5×1011ベクレル

2) 前述のように汚染水は、2号貯水槽からの漏水120トンで7100億ベクレル(Bq)として、濃度は約600万Bq/kgとなります。
 2号貯水槽の放射性物質の総量:600万/kg×1000(1トンあたりへの換算で)×13000トン=7.8×1011ベクレル→78兆ベクレル

3) 2号貯水槽全体の放射性物資量(ベクレル)は、2011.4.1~4.6間の漏洩の約1000分の1のオーダーに相当する。
4) 漏洩した120トンの汚染水は、2011.4.4~4.4.10の意図的放出や同5.10~5.11の漏水に放射性物質量と同等のオーダーといえる。

(以上)

2013年4月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

地下貯水槽汚染水漏れ問題が取り上げられている昨今ですが、基本的なことから考えてみたいと思います。この分野に詳しい専門職の方に解説いただきました。難しく感じる方もおられると思いますが、読んでください。これから少なくとも数十年は、確実に汚染水問題と向き合わなければいけない日本です。

【構造】
地下貯水槽の遮蔽処理に使用されたシートは、上部2層がポリシート、最下層は、ベントナイト(粘土鉱物)を縫い込んだシートの3層構造になっています(ベントナイトは乾燥状態、硬い粒状)。

【これまでの用途】
仮置き場、地下水位(←例;地下水位が高いと掘った穴の底部に貼ったシートが水浸しになるような意味。*ここが重要です)のない深さに掘り込んで、フレコンバッグ(廃棄物を入れる袋)を重ね、これをシートで覆い、30cmの土を被せる仕様として、その最も底部用に開発されたもの

【ベントナイトの役割】
バッグから放射性物質が漏れた場合(水分とともに漏れ出る)、このベントナイトが有効なバリアーとなります。この仮置き場の掘削深度の設定は、地下水位のないレベルまでとされています(現地でボーリング調査する目的は、地下水位の把握)。

ベントナイト遮蔽は、元々、地下埋設の放射性廃棄物処理場の遮蔽材の最も外側に使用されているもので(コンクリート遮蔽体の外周)、ベントナイト鉱物が3重の層状となっていることから、この層を通過しての汚染水の透水係数が極小さくなり、放射性物質の漏洩の低減化をはかるものです(遮水のためのメンブレン効果と呼称されます)。

【今回の汚染水漏れ】
今回の最も大きな問題は、地下水位のない部分の掘削等ではあったが、むしろ、その目的が、水を溜めることです。恐らく、福島第一以外に水を溜める目的の施工例が初めてなのではないでしょうか?

【ベントナイト遮蔽の問題点】
今回の地中埋設では、注水水深が小さく、徐々に溜めていくことから拘束圧力が小さく、この段階で漏水があれば(ポリシートの接合不良等で少量の漏水)、ベントナイトの膨張を許すことになり、ベントナイトがふやけてしまって、遮蔽効果がなくなることが容易に予想されます。
⇒ベントナイトは一旦吸水・膨張すると膨潤圧が大きくなっていく
⇒注水深がそれほど大きくない(=圧力がかかっていない)ため、膨潤を大きくゆるす
⇒やがて無限大に水分を吸収して、トロトロのお粥状になる
⇒多量の漏水を許すことになる
⇒基本的な欠陥と考えられる

このような施工計画では、設計にあたり、まず、遮水シートをあらかじめ圧迫して抑えておく必要があります(ベントナイトの膨潤抑制工の必要性)。このため、コンクリート等の上載荷重を効かせての併用施工(プレストレスと呼称されます)が必要であったと考えられます。ポリのシートからの漏水は、普通にみられる現象であり、このため、産廃処理場では、一般に漏水監視体制(電気伝導度での監視システム)を行っています。

●そこで疑問です
根本的な施工計画の欠陥と言えるのではないでしょうか?
そもそも(汚染でなくても)水を溜めることができるものなのでしょうか?
廃棄物を入れたフレコンバックを隔離するためのものではないのでしょうか?

●汚染水の海への流出は指摘されていた
2012年10月Scienceにて
海洋化学者ケン・ブッセラー(米 ウッズホール海洋研究所)は、青森から千葉までの県別に底魚のセシウム濃度を調べ、福島沖の結果が下がらないことから、放射性物質の流出が続いているのではないかと指摘。(以下の3枚目の図をご覧ください)
http://cafethorium.whoi.edu/website/publications/Science-2012-Buesseler-480-2.pdf

2013年3月
東京海洋大学神田穣太教授らの試算
福島第一港湾内で汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月から約1年4ヵ月間に計約17兆ベクレルの放射性セシウムが海に流れ込んだおそれと試算。東電は2011年4月に1週間で意図的に放出した汚染水放射性物質総量を1500億ベクレルと推計しているが、これの100倍以上にあたる(共同配信、以下東京新聞2013.3.24)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013032402000124.html

●貯水槽からの汚染水が海へ流れるか
東電は海までの距離があるから流出はないとしてます。たしかに排水路など経由はないかもしれません。しかし、地下へ浸透、それが海底面から湾内へ排出されることは十分に予想されます。 (産業総合研究所の論文があります)

2年を経過して、配電盤ネズミといい、おざなりな対応が生んでいる当然の帰結といえましょうか?
(以上)