2013年1月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

●今晩ですが、「シリーズ東日本大震災「空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」が放映されます。
1月12日(土)午後9時からNHKスペシャルで『シリーズ東日本大震災「空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」』が放映されます。
以下、NHKから:
2013年1月12日(土) 午後9時00分~10時13分
2013年1月19日(土)午前1時30分~2時43分(18日深夜)(再放送)

福島第一原発事故の後、政府や東京電力は各種調査に基づき、一般住民に対する放射能の健康影響はほとんど無いと説明してきた。しかし見過ごされている被ばくがある。事故直後に大量放出された放射性物質・ヨウ素131の影響だ。この放射性物質はチェルノブイリ事故後に急増した子どもの甲状腺ガンとの因果関係が科学的に立証されている。ただし半減期8日と短時間で消滅するため、放出直後の被ばく回避措置、そしてヨウ素が消える前の正確な被ばく調査が重要となる。ところが今回はいずれも行われなかった。その結果として、被災地では事故から1年半を過ぎて乳幼児を抱えた親たちの間で不安が膨らみ続けている。

被災者にとってヨウ素被ばくの目安を知っておくことは、今後のガン検診や予防対策に決定的な意味を持つ。住民の切実な要望にこたえようと、研究者がヨウ素被ばく量の実態に迫ろうとしている。また一方では、放射能測定や気象の専門家チームがセシウムではなくヨウ素の放射能汚染地図を作成に挑んでいる。様々なアプローチによってヨウ素被ばくの空白が明らかになる中、汚染にさらされた福島県の自治体は独自の健康対策に乗り出し始めた。番組では最新の科学技術によって失われた時をさかのぼる研究者たちの実証的な知見を総合し、初期被ばくの実態を解き明かす。

●双葉町・井戸川町長について
議会側の町長不信任はメディアに取り上げられるが、町長側の声が聞こえてこないとおもっていましたが、少し前の週刊金曜日にインタビューがありました。福島県小高工業高校機械科出身、事故前も原発の安全性にはしつこく問い合わせを続けていたという。町の財政再建のため、2008年から実質町長手当てがゼロできている。
「双葉町民はすでに十分被ばくしている。これ以上の被ばくを避けたいのだ」
「現時点での除染で線量低くなっても危険性が残ればこどもたちを住まわせることはできない」
「安全な場所に仮の町をつくるような長期展望が中央官僚からは聞こえてこない」
「原発は魔物です。人の主義主張を根本から変える」
「双葉町は原発で裕福だったは、嘘。電源3法交付金制度のできる7年も前の原発で対象外。
また、交付金があれば、地方交付税も減らされる。原発があるが故の貧乏」
「会議欠席は、事前質問状の回答がなく、環境省を信頼できない。人口密集地への中間貯蔵施設計画には納得はできない」
など、うなずけるお話です。除染の国策に異を唱えることへの圧力と感じてしまいます。
以下のブログに動画などもあります。ご参考まで。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2656.html

以上

2012年12月2日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

出張や遠出ばかりの11月で、気がついたら12月になっていました。

1)南相馬市の庄建技術さんで、「放射性物質除染法解説シリーズ2-水田土壌のための-農業用水のモミガラ除染」リーフレットを発行しております。
シリーズ1のように若干部をいただいておりますので、ご希望の方は、私に送り先・住所をメールをいただければ、メール便にて送らせていただきます。(部数も複数部可能ですので、ご希望部数もお願いします)

2)「高い確率のこどもの甲状腺異常とモニタリングポストの線量が低く出ること」
第2ドイツテレビZDFのニュース番組です。日本語解説文つき(短いです)

ここに登場する甲状腺の専門医鈴木真一氏は、事故当時「ヨウ素剤を医師の指示なしに勝手に飲むな」と言った方のようです。

かつて大気汚染の問題で、嵯峨井勝先生(ディーゼル排気粒子の健康影響を明らかにされた元国立環境研究所研究員)のお話ですが、「国別の肺がんだったか呼吸器の病気と最も相関関係の大きい事項は、固定電話の普及率だった」と伺った記憶があります。このように線量の高さと異常の率だけで物が言えるとは思いませんが、なにより事故当時の被ばく量がまったくわからない状態では、永久に闇のなかでしょうね。(これが狙いなんでしょうが)

このような人口に対する疾病率のような統計を扱う学問を「疫学」と言いますが、1990年代の時点でも日本の疫学は風前の灯(つまり研究予算がつかない)、壊滅に近い状態だったことを思うと今後、福島事故影響を明らかにすることも非常に厳しい作業と思います。

もう一点、文科省のモニタリングポストがどこも低い値を示すと出てきます。地元の方のお話では、「これは、予備電源の鉛蓄電池の遮蔽効果で、影響ないように改善する」と文科省も認めているのだそう。信じがたいですね。飯館のモニタリングポストの周りは徹底的に除染されているそうですが、実態把握というこれらの目的をなんと考えているのでしょうか?

(以上)

2012年10月16日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

●原発と機械安全
「動かした機械は止められなければいけない」という機械安全の原則は、原発にも適用させなければいけないと素朴に思うのですが、そうなっていない現実です。この解説を16日20時から動画で見ることができます。クレヨンハウスブックレットでもおなじみの後藤政志さん(元東芝・格納容器設計者)のブログです。
http://gotomasashi.blogspot.jp/

第3回目 技術における安全性 佐藤国仁氏(技術者教育、安全性、技術者倫理の専門家) 10/16 20時よりUsereamで配信
<以下配信済みのものも、動画で見れます>
第1回目 オスプレイ  10/5配信済み
第2回目 徹底検証21世紀の全技術より、輸送の安全性 10/10配信済み 続きを読む

2012年9月22日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

●先月ご案内しました、「過酸化水素+モミガラ方式」屋根等除染について、多くの反響をいただき、ありがとうございました。
しかし、現状は、伊達市と郡山市(私の知る限り)は、「屋根の除染は行わない」と決めたそうです。
こういう手があるのですね。住民の健康を守ると言う視点は全く持ち合わせていないのでしょうか。
屋根は、家主の被ばく線量を下げるためには最も要求の高い除染場所なのです。
来週、東京でおおきな除染の展示会があります。庄建技術さんも出展します。興味のあるかたは、現物を会場でご覧ください。(竹橋 科学技術館・9月24~26日 10時~17時 入場無料)
http://www.radiex.jp/

●医療の世界でも同様のことが起こっているようです。
以下は医療ガバナンス学会のHPで、亀田総合病院の小松先生が、相馬・南相馬のホールボディカウンターで調査を続けている坪倉先生とこれを阻む南相馬市副市長(総務省出身)のやり取りを紹介しています。
専門職の役割や倫理をナチの例等をひきながら、明快に述べておられます。
少し長いですが、頑張って読む価値は大きいです。
http://medg.jp/mt/2011/12/vol35012.html

●現役の大学院生の文に感銘を受けました。許可をいただき、ご紹介します。読んでいただければわかるように機械系の学生さんです。この短文に事故の問題点や私たちに求められていることが盛り込まれています。 続きを読む

2012年8月20日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

皆さま
権上です。

環境省は、7月末に「森林の除染は行わない」という検討委員会の結論を発表いたしました。 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/05/mat09.pdf
これに対して、各方面から反論が出され、舌の根も乾かぬうちに細野大臣が見直しを表明しています。

昨年秋の森林除染の研究者へ「どうやって森林を除染するのか」の私の質問に対して、「なにもしないという選択肢もある」との答えの通りの展開です。(最初から考えないが、正解か)

私の注目は、この委員会に原子力規制庁のトップの人事が決まっている田中俊一氏も入っていることです。 http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/04.html
この方の活躍は目覚ましい。事故直後、飯館に距離はあるが汚染されているらしいという段階で、いち早く現地に入り「除染で住み続けられる」と民家に入って言い回ったのも彼でした。その通りになっていないのは周知の事実です。

●屋根・舗装のための除染法
このたび南相馬市の庄建技術さんが、現地の企業として除染の実証実験を繰り返し、「屋根・舗装のための過酸化水素水+モミガラ方式」の実用化を確立しました。
私は、この説明用冊子を作るお手伝いをいたしました。
関心のある方におわけしたいと考えております。
国などは、有機資材(モミガラやイナワラなどのこと)の活用には非常に消極的です。
庄建技術は放射能汚染の実態を身をもって知る地元企業であり、本法は、簡便な資材・機材しか使用しないので低コスト、洗剤いりの汚染水を環境中に放出することもないです。しかも除染能力について実証ずみです。
現地だけでなく、東京あたりでも見られる高線量の地衣類(いわゆる黒いコケ)などの除去にも有効です。

A5版16頁の小冊子ですので、ヤマトのメール便にて複数部送ることができます。
私に以下のメールをいただければ送ります。送料のご心配は無用です。
(ただし9月20日まで断続的な出張などで不在がちです。発送などの時間は余裕を見てください)

・・・記述すること(コピペしますので、以下の様な改行は必ず)・・・

郵便番号

住所

名前 様 ← 省力化のため書いてください。

電話番号

(空白)

(必要部数)○冊

・・・・・・・・・・・・

 権上かおる

  送り先メールアドレス;kaorin_gj@mbn.nifty.com

2012年7月20日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

皆さま
権上です

●政府は、「中長期のエネルギー政策」についてパブリックコメントを募集中です。(郵送・FAX・HPの3法)
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf
まだでしたら、ぜひみなさまのご意見を投稿してください。思考停止しないことが、次世代への最低限の責任です。

まず、原発を
1、ゼロに
2、全体の15%に
3、全体の20~25%に

のうちひとつを選び、選んだ理由を次の欄に記入します。なるべく簡素な記述で。

私は「原発ゼロへ」
「止められない機械は動かしてはいけない/処理のできない廃棄物を次世代へ渡すことはできない/自然現象に想定はない」など、と記入しました。

●私のこの1週間は、講演会で制服向上委員会、尾米タケル之一座(スイシンジャー)の若者のみなさまとご一緒できました。
多くのことを学ばせていただきました。
「制服向上委員会」は、20年も続くアイドルグループで、原発だけでなく、虐待のこどもを守るなど、社会的な問題の発信を舞台で表現するもの。ゲーム業界のコンプガチャが倫理的問題になったように、人気投票の為にCDを売りつけるアイドルGへの強烈なアンチテーゼでした。http://www.idol-japan-records.net/ski/

「尾米タケル之一座(スイシンジャー)」のコントは、深い逆説で、私は笑い転げました。彼らはお笑いの世界での大きなリスクを覚悟で、演じてくれていることに感謝しました。http://www.okometakeru.com/

以上

子どもと一緒に考える原発と放射能のお話

原発は無い方が良いと思うけれど、私にできることはないし・・・
もう基準値が厳しくなったのだから、何を食べても良いのでしょう?
毎日疲れてしまって、原発のニュースはもう聞きたくない・・・
あなたは、そう思っていませんか?
まだ原発事故は収束していません。
子どもたちには、できる限り安全な食べ物を与えなくてはなりません。
スイシンジャーの反原発コントで、原子力ムラを笑ってしまいましょう。
講師のお話で、最新の正しい知識が得られます。
明るく楽しく前を向いて、エネルギッシュな子どもの力も借りながら、
ご一緒にできることを考えましょう。

対象:親子優先・大人だけも可
講師:権上かおる氏(環境カウンセラー)

日時:2012年7月15日(日)午後1時~(12時半受付開始予定)
場所:ティアラこうとう中会議室(半蔵門線・都営新宿線住吉駅徒歩5分)
参加費:大人ひとり1,000円(18歳未満は無料です)
内容:絶対原子力戦隊スイシンジャーの反原発コント+講師のお話+交流会

申し込み:kodomo_to_kangaeru@yahoo.co.jp まで

  1. お名前
  2. 人数(親子で○名、大人○名)
  3. 非常時ご連絡用電話番号
  4. を明記でお申込ください。必ず主催者より返信いたします。

詳しくは http://blogs.yahoo.co.jp/kodomo_to_kangaeru/4533682.html

2012年5月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

●若狭湾の活断層と原発位置
大飯原発停止にあたって、活断層のことをよく耳にしたと思います。
ご専門は、自治・行政である市村先生は、足尾山地の地質を永く研究しておられ、この経験から若狭湾についてコメントをいただきました。既知の資料を組み合わせて、活断層の集中を門外漢にもよくわかる資料を作っていただきました。あまりの多さに息をのみます。地図の下の文は、市村先生のコメントです。

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