2015年6月7日 原発災害情報センター(福島県白河市)訪問報告 ~谷根千・駒込・光源寺隊の支援者の皆さま、多くの皆さまへ~

なだらかな丘の上、緑の中に「原発災害情報センター」
報告 菊池京子(谷根千・駒込・光源寺隊)

福島県白河市に設立され、今も整備が進められている「原発災害情報センター」を、去る6月7日に訪ねてきました。遅れましたが、ご報告をします。

なお、同センターのホームページと関連サイトは次のとおりです。概要や開設の経緯については、こちらをご覧ください。
http://genpatusaigai.web.fc2.com/
http://www.am-j.or.jp/schedule/120906.htm

〔白河の原発災害情報センターに2便。本や資料約100点超を支援〕
原発災害情報センターには、昨年(2014年)9月(約80点)と今年の3月末(専門報告書を中心に約40点)の2回、谷根千・駒込・光源寺隊は資料や図書を寄贈することで支援をしています。 続きを読む

いわき市四倉での「復興住宅入居 応援餅つき大会」のご報告とご寄附の御礼

谷根千・駒込光源寺隊より被災地支援活動のご報告をいたします。

現在も光源寺を拠点とし、「谷根千・駒込光源寺隊」という名前で、震災支援を継続しております。震災2か月後から、原発から30Km地点のいわき市四倉(よつくら)を支援し、50回以上往復しています。四倉では昨年10月に復興住宅が完成し、150戸が入居して、「四倉南団地」となりました。
 昨年の秋、現地の方々から「お金がかかることは言い出せないので、一度も集まりをしていない」「みんなで顔合わせできる祭りみたいのことがしてもらえないか」という声が届きました。新たな住民約200名のうち、仮設からの入居者は1割。9割は市内のアパート(借り上げ住宅)にバラバラに住んでいた人たちです。集団生活の体験がなく、エレベーター内で挨拶する習慣もほとんどないとのことでした。
そして「復興住宅入居 応援餅つき大会」がきまり、昨年の11月30日(日)に開催をいたしました。光源寺隊は住民の自主的な寄附金によって活動をしており、資金が乏しくなっておりますので、実現することができましたのは、ひとえに皆様の志のおかげでした。

一人ひとりの熱いお気持ちをいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

以下に10月29日(土)出発、30日(日)餅つき大会の様子をご報告させていただき、お礼に代えさせていただきます。四倉の被災者の方々が、待ちに待っていてくださった、涙、涙の餅つき大会でした。

餅つき大会の様子・ご報告

1

2

3

昨年11月29日朝、6時半に15名が光源寺に集合。臼など一切の荷物を中型バスのトランクや座席に積み込み、出発。いわき市の南部の海岸線を途中下車して、消えてしまった集落を訪問しながら四倉へ。集会所でもち米を50K洗い、芋煮汁の準備。その後3時間は11名が原発から10Kmの富岡を訪問。津波被害と原発による住民避難がまだそのまま残されている町です。一応、除染作業は終了したのですが、当日の線量は草むらでは1マイクロシーベルトに近いところもあり、住民はまったくいません。「死んでしまった町」でした。

30日朝、四倉復興住宅の集会所前の広場で、餅つき大会を開催。11時の開会前にすでに50名以上の住民がお手伝いに参加し、避難所の炊き出し以来会えなかった人が、声をかけてくださる。お互いに涙。11時には150名以上が拍手で祝い、おじちゃんたちが次々に交代して、もちをつく。冷やかす声、励ます声。光源寺隊がもちを返す。賑やかな掛け声があふれ、長い行列ができて、総勢70人の方がもちをついてくださった(もちをついた方にはカップ酒1本をお配りしたので、人数を把握しております)。
昼時とあって黄粉もち、あん、からみ大根は次々に空になり、150人分の芋煮汁も2時間でなくなりました。食べ物がなくなってもテントの下、臼の周り、集会所の中に笑や、涙や、思い出話の輪ができて、ほんとうに幸せな時間でした。「知り合いができたの」「フラダンスをはじめるつもり」と明るい言葉をたくさんいただきました。

片付けが終了し、気づくとバスの周りに50人ほどの方々がいて、ちぎれるほど手を振って見送ってくださいました。

住民となった方々が新しい気持ちで仲良く暮らす、その最初のお手伝いができました。餅つき大会を待ちわびてくださっていたこと、食べ物がなくなってもたくさんの方が集っていたこと。きっとみんな、これまで寂しかったんだと改めて思いました。

バラバラに暮らしていた被災者同士が声を掛け合って知り合いをつくり、和やかな関係を築けますよう、今後もお手伝いを継続していきます。生活困窮者も多く、被災者がまとまって交渉しなければならない事案も次々に聞こえてきます。住民同士の輪が必要です。
申し述べました現状の中で、皆さまの温かいお志を生かさせていただきました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました! 

2015年1月11日           谷根千・駒込・光源寺隊 島田冨士子

【お知らせ・募集】2014/11/30(日)応援餅つき大会in四倉

被災地四倉へ「応援もちつき」に行きましょう!

10月18日、四倉仮設の方々が光源寺に来訪されました。災害公営住宅(復興住宅)に入居できたので、「谷根千・駒込・光源寺隊」のみんなに直接お礼を言いたいと、20名の方が上京され、8名で出迎えました。四倉高校避難所で私たちの炊き出しを召し上がった方も来てくださり、各人がこれまでのご苦労と不安の連続の日々を語られ、温かい交流の時間でした。 どの方からも、たくさんのお礼の言葉をいただきました。

この来訪の連絡と前後して、 四倉復興住宅に入居された方々から「以前の夏祭りのように祭りをしてもらえないでしょうか」という要望をいただいていました。それで、来訪された方に打診したところ、「餅つきするよ」「もちの返しができますよ」「手伝います」と皆さんからも元気な返事があがりましたので、開催の準備を始めさせていただいています。

11月30日が餅つきの開催日です。銘打って「応援餅つき大会in四倉」。
被災者151世帯が今年の夏から災害公営住宅に入居しました。しかし、多くは市内からの借り上げ住宅にばらばらになっていたため、「顔見知りができない」とのことです。お年寄 りにも外に出てきていただき、餅つきを楽しみ、笑ったり、話したりできるように、隣近所をつくるお手伝いをしに行きます。参加者をご希望の方、お気軽に手を挙げてください!

・前日出発(趣旨への賛同者のみ)
11月29日(土)午前6:30 光源寺集合・荷物積み込み。7:00出発。10名募集(宿泊・バス代・食費の一部 恐縮ですが計8,000円)・宿泊場所は「いわき海浜自然の家」に手配済み・希望多数の場合は寝袋持参で復興住宅に民泊。応募締切11月22日(土)。できれば11月19日の3時までにご連絡ください。傷害保険の書類提出のため、ご住所と年齢が必要です。

・当日出発(どなたでもお気軽にご参加ください)
11月30日(日)復興住宅に午前11時頃着を目指して各自で出発・自費(東京駅7:30発・新常磐交通の高速バスいわき駅10:33着・要予約片道3,350円。または上野駅8:00発・常磐線特急いわき駅10:22着・片道6,050円。バス・JRのいずれの方も、JRいわき駅乗り換え10:51発・在来線四倉駅11:05頃・JR四倉駅に迎えに・島田の当日携帯☎080-2385-6465)。申込締切11月27日(木)

申し込み:
fujiko_shimada@yahoo.co.jp
島田冨士子
駒込大観音 光源寺
TEL/FAX:03-3821-1188

・・・・
【参考のための放射線量】
〈宿泊先:いわき海浜自然の家の空間放射線量 (11月5日測定値 地上50㎝)
宿泊棟=室内:0.08μSv/h、中央ホール・談話室: ともに0.07μSv/h、
玄関前:0.19μSv/h (11月12日)モニタリングポスト:0.138〉

【原発災害情報センター図書サロンへの図書寄贈】に関する活動のご報告

2014年9月30日締め切りで皆さまから図書や資料などを募っていた【原発災害情報センター図書サロン】への図書支援について、ご報告します。

冊子、ブックレット、写真集、書籍、DVDなどが集まりました。寄せられた本と谷根千・駒込・光源寺隊所蔵図書、さらに古書ほうろうさんから応援価格で提供いただいたものを含め、合計98点です。リストに整理して、2014年10月7日、光源寺蓮華堂にて整理作業をし、発送しました。皆さまのご理解とご協力に感謝します。

また、事後報告となりますが、以下のことをご了承いただきたくお願いします。

  1. 図書の整理、発送は島田富士子さんと菊池京子が作業に当たりましたが、この「寄贈図書募集」を始めた時から、山崎さんも含めて「谷根千・駒込・光源寺隊の方々や支援活動に理解や協力を日頃より寄せて下さる方々と情報共有として小さな私設文庫のようなものがあったらどうか」という意見が期せずして同じように出ました。
  2. 集まった図書や資料を整理した結果、用意した箱に入りきれないものが出ました。同時に、「この本読んでみたいな」「この本はお勧め」などなどのやり取りがあり、「谷根千・駒込・光源寺隊文庫」(仮称)を設けることにしました。文庫のスタートは入りきれなかったこの18冊で、選定は菊池が行いました。お寄せくださった方のご意向に背いたかもしれませんが、閲覧や貸し出しの様子や時期を見て順次現地にお送りすることにします。ご了承ください。
  3. この「図書寄贈による情報支援」は期限を設けず、しばらく続けることにしました。光源寺さんがいつでもお預りくださいます。第1回は原発や放射能、エネルギー、震災関連のものを募集しましたが、これはぜひお勧め、というものがあれば、ジャンルの幅を少し広げますので、各自の判断でお持ちください。図書や資料で被災地を応援したい、という方は、ご都合のよい方法で参加してください。
  4. ご寄贈いただく場合は、可能な限り〔書名、著者名・訳者名、出版社名、奥付年月日〕を整理してメールで別途お送りいただければ幸いです。今回集まったリストをご希望の方はご連絡ください。メールにてお送りします。
  5. 今後は、谷根千・駒込・光源寺隊に寄せられお預りしている支援金で、現地センターのリクエストにも応えていきたいと考えています。現地との連絡や情報交換を引き続き行っていきたいと思います。蓮華堂の縁側の隅に富士子さんがかわいい本棚を用意してくださいました。お近くにおいでの際は、ぜひ覗いてみてください。ささやかですが「私達の谷根千・駒込・光源寺隊文庫」をよろしくお願いいたします。

以上、ご報告をもってお礼と今後へのご案内、お願いとします。ありがとうございました。

〔参考〕
支援先の原発情報災害センター・図書サロン(http://genpatusaigai.web.fc2.com/)は福島県白河市にある民間施設です。
原発災害について多くの方に知っていただく為に作られたものですが、運営は寄付で賄われていて、図書サロンで閲覧できる書籍や資料等がまだ十分に揃っていません。
そこで、谷根千・駒込・光源寺隊、けんこう蔵部の皆さまやお知り合いの皆さまから、センターが希望している原発、放射能、公害、環境問題、新エネルギー等に関連する書籍や映像資料などを募って現地に寄贈しようと9月半ばから募集を始めました。

◎詳細についてのお問い合わせは菊池(電話:080-6504-7442 mail:gm9k-kkc@asahi-net.or.jp)まで
(2014.10.9 報告/菊池京子)

2014年10月5日 チャリティーコンサート -千の音色でつなぐ絆-プロジェクト Tsunamiヴァイオリン in 千駄木 【要予約】

2011年3月11日、3年前の東日本大震災では、押し寄せる大津波が木々をなぎ倒し、家々を押しつぶし、多くの人々の命を奪いました。

廃墟となった町や村に、累々と積まれたガレキの中から選び取った木材で、ヴァイオリンが作られました。

Tsunami ヴァイオリンと呼ばれ、日本各地やニューヨーク、パリなど海外でも演奏され、大惨事にあっても生き続ける木の命の音色を歌い続けています。

そのTsunami ヴァイオリンが千駄木にきます!
今なお懸命に復興への歩みを続ける被災地の皆さんに、あなたの想いをお寄せてください!

※コンサートの収益金は宮城県石巻市の長面浦(ながつらうら)でおいしい牡蠣を育てる漁師集団「一般社団法人 長面浦海人」に寄付されます。

平成26年10月5日(日)
会場:旧安田楠雄邸 東京都文京区千駄木5-20-18
    交通案内
    http://www.national-trust.or.jp/properties/y-tei/y-access.html#access
開演 1回目13:00(開場12:30) 2回目15:30(開場15:00)
料金 2500円(高校生以下1500円)
予約 26年8月20日(水)より下記にて受付開始
☎03-3822-2699 ※通常公開日(水・土曜)の10:00~16:00
予約専用E-mail yasudatei@yanesen.org
※お申し込みは「津波ヴァオリン、1または2回目、お名前、連絡先」をお知らせください。
※定員各回40名になり次第、締め切らせていただきます。

[プログラム]
第1部 Tsunamiヴァイオリンによる“にっぽんの歌”
    ヴァイオリン松下雅実・ピアノ松下有津子

第2部 ビデオとお話 Tsunamiヴァイオリンとは/「長面浦海人」の活動

第3部 ヴァイオリン デュオ
ヴァイオリン松下雅実・赤星鮎美
    [曲目]ユーモレスク、チャルダッシュ、モーツァルトのロンド・アレグレットほか

「Tsunamiヴァイオリン」-千の音色でつなぐ絆-」プロジェクトiについて
ヴァイオリンドクターの中澤宗幸氏が東日本大震災の被災木をヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどに蘇えらせました。世界各地の演奏家がリレーのようにこの楽器を受け継いで様々な音色を奏で、聴衆と共に大災害の記憶を語り継ぎ、「復興への励ましとしたい」との中澤氏の願いを受けて、多くの支援をいただきながら活動を続けています。「千の音色」の「千」は、「千羽鶴」と同じく、多数を意味します。

「除染情報手渡しの会」を開催 ~福島では今、何が起こっているの? 現地のリアルな除染情報に触れました~

IMG_49746月7日10時30分から、谷根千・駒込・光源寺隊が主催して「除染情報手渡しの会」を開きました。会場は光源寺の蓮華堂、文京区社会福祉協議会と〈谷中の家〉の協力を得て、3名の参加者とスタッフ2名の計5名が、権上かおるさん(環境カウンセラー・NGO酸性雨調査研究会)のお話を聞きました。
開催当日は、交通機関に支障が出ることも予想されるほどの激しい雨だったため参加できなかった方もいましたが、〈手渡しの会〉のネーミングのとおり、聞き手が話し手とごく近く接することができる会となり、予定を30分超えた12時半近くまで、熱心な質疑応答の時間も持てました。福島の除染情報手渡し会レジメ 続きを読む

伊達東仮設に寄贈したミシンのその後

シンポジウムの会場に伊達東仮設管理人の長谷川さんを訪ねました

5月10日、渋谷区で開かれたシンポジウムで、飯舘村から福島県伊達市の伊達東仮設住宅の長谷川花子さんが登壇。「仮設住宅の暮らし」を話されるというので、聴きに行ってきました。

ミシンを寄贈するために運んだ12月15日からほぼ5ヶ月。長谷川さんはお元気で仮設の暮らしを「までい」(注:文末)に語っておられました。

【飯舘村、津波、震災から3年目の今、が語られる】
5月10日(土)国学院大学常磐松ホールで、シンポジウムが開かれました。
「飯舘村放射能エコロジー研究会20104東京シンポジウム~あれから3年 震災・原発災害克服の途を探る」と題したもので、内容は以下のようなものです。
(東京新聞5月12日・20~21ページの〈こちら特報部〉で、「飯舘村 初期被ばく追う~国の避難判断遅すぎた 平均7ミリシーベルト 県発表の倍」としてこの記事が掲載)
〈第一部=飯舘村民からの発言 第二部=震災・津波被害からの復興 第三部=放射能汚染とその影響〉
第一部と第二部はほぼ飯舘村に焦点が絞られ、第二部は津波の被災地の復興再生について(大船渡市)、宗教と被害支援、震災復興に活きる伝統文化、などがそれそれの専門家から語られました。 続きを読む

避難者交流「おちゃっぺ会」の参加者の方を中心に、福島の除染の話をしましょう 《福島の除染情報手渡しの会》

◎話す人: 権上かおる さん(NGO酸性雨調査研究会)
◎開催日時  6月7日(土) 午前10時30分から12時まで
◎開催場所  光源寺 蓮華堂(文京区向丘2-38―22)

提供の話題 福島の除染の現状
 1.環境省(2013年12月現在が最新)まとめの解説
 2.3年間の除染情報にみる真偽
 3.今後の方向

 私は、ひょんなことから3.11後、南相馬市など福島県へ通って、地元の方々と、大手ゼネコンが行っているやり方とは違う除染の方法を研究開発し、実用に移すお手伝いをしてきました。

 大気環境を中心とした環境調査の活動を長年行っていたこととの先に、今回の原発事故での放射能拡散による環境汚染とその影響があり、少しでも福島の皆さんが事故前の生活に近づくようにとの思いからです。

 そこで感じたのは、東京からと福島からとでは、情報をはじめ様々な面で乖離やズレがあることです。まして福島から避難されている方々には、十分な情報が届いていないことを感じます。

 除染を中心に私の知りえることをお伝えし、皆さんの今後の暮らしのご判断の一助になさってほしいと希望しました。教える〈学習会〉ではなく、届ける〈手渡しの会〉です。避難者の方々と応援したいという人たちの力を合わせることが、まず第一歩になることを願って。

〔事前に具体的な質問をいただければ、可能な範囲でお答えできるように調べます。〕

連絡と問合せ:
「谷根千・駒込・光源寺隊」菊池まで 電話&FAX 03-3827-0047 

主催:「谷根千・駒込・光源寺隊」