福島・宮城の避難所に絵本とマンガを置いてきました(4月16日から18日) / 森まゆみ

被災地の子どもたちに少年ジャンプや絵本を届けるため、谷根千付近に会社があったり住んでいる編集者の方たちを中心に協力を得て4月16日から18日まで、強行軍でしたが回ってきました。御協力ありがとうございました。

協力者・平凡社 山本明子さん,講談社 稲葉希巳江さん、横川浩子さん、岩波書店 熊倉沙希子さん、平田賢一さん、メディアファクトリー 山崎旬さん、JTB 河合桃子さん、朝日新聞出版 岩田一平さん、ポプラ社 倉沢紀久子さん、亜紀書房 足立恵美さん、佐川祥子さん、集英社 滝川修さん

以下、訪ねておいてきたところです。

16日朝7時半出発
1時半相馬はまなす館
旧相馬女子高校(原発に近い南相馬市から避難)
相馬中村神社(知人川嶋夫人が宮司さん)
山元中学校(ここで河北新聞の取材を受けました)
新地町役場(友人荒先生御見舞いもかねて)

丸森筆甫中学校(ここも南相馬より避難者多数)
丸森の友人宅菊地家で泊まる

17日
吉田小、亘理高校、亘理中学、亘理小学校。
岩沼市民会館
同行者早川さんの友人小幡つや子さん御見舞い
いっしょに中村小へ行くも閉鎖後。
多賀城文化センター
女川総合運動公園ーー同行者の友人を訪ねる、三千人いた避難所
女川の下の方はもう何もない。漁船が陸にあるくらい。転倒したビル。
友人の父で原発に40年反対された女川町議高野博さんにインタビュー

7時に追分温泉の夕飯にすべりこみセーフ
ご飯のあと、人気の宿を避難所にしてしまったご主人のはなしを聞く。
「農業も漁業も復興しないうちは観光なんかありえない」
「もうずっとこのまま避難所でもかまわない、というかんじ」
近くの米農家大内さんのはなし。父の弟、その妻、弟の子供二人、なくされた。
抱えていたお嫁さんの腕のなかを子供たちはすり抜けて流されたそうで、翌日あったお嫁さんは泣きはらしていました。
のこった本は追分温泉に置いてきました。宿代も受け取ってもらえなかったので。
まいにち300人がお風呂に入りにくるので、ここの方が避難所よりゆっくり本が選んだり読んだりできる環境です。

3日目
朝、避難の方から話を聞く。
帰りの車が空なので大内さん宅でお米の仕入れ。いま現金が入るのは助かるとのこと。わかめも仕入れました。お菓子もたくさんくれました。
熊谷産業に東京駅に使うはずだったスレートの現況を調査

熊谷さんのお父さんのはなしを聞く
雄勝天然スレートの木村社長のお話を現地できく
雄勝町職員千葉茂さんを訪ねる。なくなったと言うのは誤報で、お元気でした。

雄勝のスレートを東京駅に,の運動に元気をもらいました、と。息子さんはなくなったのに、プレハブに寝泊まりして被災者の世話をしています。雄勝町の支所は5階までがらんどう。
ビッグバンの真理ちゃんの友人の父上を訪ねるもあえず。
北上町の農家民宿の坂下清子さんを訪ねる。グリーンツーリズムの星です。
息子さんの勤める日本製紙の寮にいらっしゃいました。二家族一緒でもうひとりが夫、嫁、孫を流され、二人で毎日泣いたり笑ったりしていると。ここでおにぎりとおひたしをいただきました。
大崎の一の蔵のお酒を仕入れました。1ヶ月操業はストップ、電気が来ないので仕込んだ酒も傷み廃棄。瓶も散乱してまとめてありました。きょうおはらいをして一ヶ月振りにお米を蒸したそうです。
帰り、角田の面川さんのお米を30袋買いました。売りにいかないで買いに来てくれたからとおみそをたくさんくれました。
9時半にパーキングでラーメンやおそばを食べ、那須で同行者真理ちゃんと別れる。
午前2時頃家に着きました。

本は14カ所に届きました。他にも出会った子どもに配りました。とにかく子どもの多い避難所を探し、そこへ行くまでが一苦労でした。職員の対応もさまざまでした。
大きいところには物資もたくさん届いているが、むしろ小さいところの方が落ち着いて本を読める環境ができているかもしれません。
子供たちが体育館の床に寝そべってゲームに夢中な風景を多く見ました。
大人の本はないの、という要望も多かったです。これもかなり持って行ったので喜ばれました。
効果的な支援については ふんばろう東日本支援プロジェクト

今回は最初の試みで配っていくだけでしたが、それでも退屈だから読みたい、テレビも一台しかないので本でも、という人にあいました。子どもや青年にはジャンプが人気でした。すでに始まっていますが『読み聞かせ隊」のようなじっくり滞在型の取り組みも重要です。

フクシマに阻まれて東京ではフクシマ以北のことを考えなくなっています。北上するごとに惨状はひどくなり、ああ、という以上の声は出ませんでした。
『招かれている」といってたように、いろんな方に助けられて、お会いしたかったほとんどの方に会えました。皆さん、苦難を越えて神々しいような表情をなさっていました。これからブログや映像で伝えていきます。
みなさま、本当に御協力ありがとうございました。

森 まゆみ

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