11月29日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です

●28日東京新聞に「スギ花粉の移行は1/10:問題はない」の報道がありました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011112802000032.html
まてよ、この人最近なにかあった!そうだNHKあさイチの食卓調査で校正不十分な機械で計測し、12月15日に訂正再放送する方でした。
週刊金曜日によるとセシウム134と137の検出比がおかしい、水のカリウム40がとんでもない値とNHKのHPよりもさらにデータの信頼性がないと記述されています。(それをあっさり本人は認め、NHKが無理やり報道したまで言っている)

多摩地区の1か所のスギをこの時期に調べただけで花粉の問題はそんなに簡単にクリアできるものでしょうか?

・スギの被ばく事例はこれまでない(ロシアは寒冷地なためなかった)
・花粉への移行はある
・スギの樹皮は、ガサガサしているので、放射性物質が付着しやすい(髪の毛のキューティクルと同じこと、引っかかる)
・研究者によっては、高濃度地域だけでも花粉の季節の前に伐採した方がよいと言っている人もいる(筑波大恩田氏)

そこで、いったい花粉はどのくらいの量飛ぶのだろうかの疑問で調べてみました。
京都の花粉総個数を調べた論文がありました。(齊藤秀樹 森林科学19)

1)京都府のスギ植樹面積は68,666ha
全体で1250×10(15乗)個/1年 ~ 134×10(15乗)個/1年 とのこと。
*計算方法
(齢級別スギ林面積)×(各齢級の平均開花雄花数)×(雄花中の平均花粉数)
調査年 1997~2000年

2)次に福島と京都の面積比は、京都のおよそ3倍
福島(スギ人工林面積 1848百ha)
京都(スギ人工林面積  638百ha)林野庁HP

3)したがって単純にいっても3倍 3750×10(15乗)個/1年 ~ 402×10(15乗)個/1年
花粉1個の重量がわかりません。
粒径は20~60μmとのこと
単純に1mg(0.001g)としてももう一桁、二桁下としても
総量が多く、仮に移行係数0.1としても
セシウムの拡散としては、無視できる量ではないのではないでしょうか?
どなたか、お詳しい方おられましたら教えてください。
(蛇足ですが、これは花粉症の有無に関係ありません)

●カンパなどをお寄せいただきました「カクタアレルギークリニック」HPに震災と秋のアレルギー症状への注意事項がアップされています。参考になさってください。
http://homepage2.nifty.com/smark/

●日本機械学会技術と社会部門イブニングセミナー(再報)
11月30日、12月21日は原発テーマです。
11月,12月は原発テーマになりました。
直近ですが、30日は東京都でモニタリングをしている知人が話します。
会場は同じ場所(リバティタワー1123教室)になりました。
http://www.jsme.or.jp/tsd/seminer.html

もし参加の場合は、上記HPから機械学会事務局に事前お申し込みください。当日は受け付けませんので、直接会場へおいでください。事前申し込みは、人数が多いので、受付がスムーズになります。また、当日連絡なくキャンセルしても全く問題ありません。

以上

11月29日 おそれて、こわがらず / 権上かおる」への2件のフィードバック

  1. 権上さん、今回もありがとうございます。
    自分も家族も花粉症で、来春の花粉飛散が心配です。

    27日夜は、NHK総合の原発番組の方を見ていて、終わってすぐにETVの海洋汚染の方
    回しました。
    原発沖で薄まって拡散され、親潮の冷たい、海水の底を南下して行く潮が
    大洗や犬吠の陸地の突起に引っかかって再攪拌され、
    突端やその周辺に汚染が溜まるのがありありでしたね。
    茨城沖の魚も恐いのに、検査の動きはさっぱり伝わってきません。
    風評でなく、実害の食物汚染なのに。

    この番組でも、岡野先生が海洋汚染計測の機器を使って、船べりから測定なさっていた姿に、頭が下がりました。いつまでもお元気で、学者の良心として、生きて立っていていただきたいです。

    ひとつお詫びがあります。10月31日の権上さんの記事に書き込んだコメントの中で、「高木真三さん」と書いてしまったのですが正しくは「木村真三さん」です。高木仁三郎さんとごっちゃになって、よく間違えてしまうのです。お詫びして訂正します。

  2. 権上さん、今夜は明大での伊瀬さんの講演会が聴けてよかったです。
    テーマにも近かったので、最近は常に気になっている
    福島の県民健康管理調査のことについても、
    多くの皆様に質問とご留意のお願いができ、ありがたかったです。

    でもあの場に集まった科学、科学の学問や調査研究に近い方の中にさえ、
    福島の県民健康管理調査の、個々人の被曝量推定に使う基本データ
    すなわち、福島県からデータを受けて分析をする放医研が、
    被曝推定のために使う基本の汚染地図が、
    いつ、どこで、どこの、誰が、どんな方法で、どんな基準で、
    どのようにデータ収集したものを使うのか、
    どなたからも返答が無く、会場が一瞬しーんとした(と感じました)ことに、
    心が凍る思いがしました。

    どこからか、その情報が、どうか伝わって来ますように願っています。
    それが、この9ヶ月、不信の中にあまりに過酷な、
    生活と故郷喪失を体験し続け流浪し、
    難民のようになっている方々への、少しでも確かな情報提供になります。

    やはり、東京での専門知識が、机上なのだ、と思い知らされもしましたが、
    それでも(たとえ門外漢でも)知見や知識を持つ方々の声を、
    聴いたり見たりすることで、
    被害者なのに蚊帳の外に置かれている方々に
    少しでもつなげることができればと思います。

    権上さんが、5月ごろだったか谷中で、今日もおっしゃった、
    「自分で勉強するしかない」の思いを強くします。

    こちらは、人からいろんなことを教えていただくよう、活動を続けるつもりです。
    権上さんや皆様からは、学の情報を今後ともどうかよろしくお願いいたします。

    2,3日のうちに、県民健康管理調査の記入支援の県、この字報に載せます。
    長い文章ですが、読んでくださいませ。

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