これは支援情報ではないのですが、いまみなさんに共有していただきたい情報です。
元長崎大教授、福島県のアドバイザー、いま福島医大副学長である山下俊一氏に朝日新聞が主宰するがん制圧大賞が贈られました。
誰が何の賞を取ろうとふつうは関係ありませんが、山下氏は福島の現状を楽観的に『子どもも妊婦も100ミリシーベルトまでは大丈夫」と言ったり『にこにこしているひとにはガンは来ません」といったり、とんでも発言を繰り返し、そのアドバイザーとしての影響力の結果,福島の子供の避難(集団疎開)を送らせているひとです。これに朝日は賞というお墨付きを与えたことになります。
福島だけではなく、ここでの外部被曝、内部被曝の影響を軽視すること、情報を隠蔽することは広く全国の、そして谷根千の被曝をどう見るか、の指標になってきます。
こどもたちを放射能から守るネットワークは朝日に抗議文を出しました。
またこの山下氏が音頭をとって福島で行われる国際専門家会議は国際原発推進者会議になりそうな気配で、心ある専門家は憂慮しています。これもまた権威づけされて政府や官僚のいいわけに根拠を与えるでしょう。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/08/post_1748.html
谷根千工房 森まゆみ
2011年9月3日
「朝日がん大賞に山下俊一氏を選んだ朝日新聞社に抗議します」
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
代表世話人 中手聖一
世話人一同貴社の9月1日付けの新聞を見て、わたし達「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の一同、また、一緒になって、福島の子どもたちを守る市民運動に参加している関係者は愕然とし、同時に怒りを抑えることができませんでした。
なぜ、山下俊一氏の行っている行為がこのような形で評価されるのか、理解に苦しみます。氏の発言が、子どもたちを守ろうとしている福島の親たちをどれだけ苦しめてきたのか、またこれからも福島医大の副学長として福島県民を苦しめるつもりなのか、貴社の選考の基準には入っていなかったのでしょうか。
山下俊一氏は、3月の下旬から福島県に入り、「年間100ミリシーベルトでも問題ない。妊婦でも子どもでも危険はない」という発言をくりかえしてきました。当時の同氏のこの発言は、福島市政だよりにも掲載され(別添1)、福島県内で「安全神話」を築き上げてきました。同氏は医学系の雑誌には、低線量被ばくのリスクを指摘する記事を書きながらも、福島では逆に低線量被ばくのリスクをまったく否定する言動をとったのです。
ご存知のように、低線量放射線の影響は「閾値なしの線形モデル」を採用し、線量に応じた影響が生じるというのが、国際的な常識となっており、保守的なICRPもそれを認めています。
実際には、福島では、多くの地域では、本来であれば、一般人の出入りが禁じられる放射線管理区域以上の高い汚染が広がり、チェルノブイリ事故と比較しても安心・安全とはいえないレベルの状況が続いています。同氏の発言は、多くの方の避難を躊躇させ、また、福島に住み続けることについて安心感を得させ、家族不和まで生んでいるのです。さらに、「危険かもしれない」という市民が憂慮の声をあげられない空気をつくりだしました。
この世に家族ほど大切なものがあるでしょうか。子どもほど大切な存在があるでしょうか。それなのに、同氏がつくりだした「安全神話」により、家族を守れずに、私たちがどれほど苦しんだか、言葉には言い尽くせないほどです。わたし達福島県民は、それでもなんとか明るく前向きに生きようと日々戦っているのです。
私たちは、このように山下俊一氏が、県の放射線リスク・アドバイザー、県民健康管理調査委員会の座長にあることに強い危機感を覚え、同氏の罷免を求める署名運動を行い、6607筆の署名を得ました(別添2)。また、全国の署名運動では、1ミリシーベルト順守と避難・疎開と併せて同氏の罷免を求める要請項目を加えましたが、4万筆以上の署名が集まりました。
このような市民運動は一切報道せず、山下俊一氏のようない人を「がん大賞」を授与するとは、御社の新聞社としての良識が疑われます。
わたし達は山下氏への「がん大賞」授与の撤回を求めるとともに、貴社紙面において謝罪を掲載することを求めます。
あわせて、このような批判があったことを、きちんと報道していただくことを求めます。
以上
別添1:福島市政だより(4月21日号)
http://dl.dropbox.com/u/23151586/Experts_Fukushima_Newsletter.pdf
別添2:山下俊一氏の罷免を求める県民署名
http://dl.dropbox.com/u/23151586/kenmin_shomei.pdf
森さま
動きに聡くなくて、自分の不明を恥じます。
山下氏のことは、かねてから私もどうしたらいいものかと考えあぐねています。県民健康調査票も、見本を入手して、どのように対象者が記入しやすいかを考えたりして、光源寺さんや文京社協を通じて東洋大の社会学の教授にお知恵を拝借したりしていますが、そもそもその元が、福島医大で山下氏が取りまとめと思うと、これもどうすればいいのかと、思案の日々です。
これは健康管理調査と銘打ってはいるものの、調査結果はどう使われるのか、真に県民の健康維持管理のためとも思われず、情報開示が公明正大に包み隠しなく行われるとも到底思われず、さりとて、今、3月からの行動を記録して、県民みずからが自分のデータを整理して持っておくことは大切だとも思いますし、本当に悩ましいです。
マスコミはすでにまったく信じられないし、かといって、おっしゃるとおり、「大朝日」がこんなペテン学者にお墨付きをあたえることは、福島だけでなく、日本、全世界に対しても、危険極まりなく、許しがたいものと考えます。
また、機会があれば、お目にかかりたいと思います。ありがとうございました。