4月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

ようやく本日東電から6~9カ月の見通しが発表されましたが、シナリオ通り行けばいいのですが。

●東京電力「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041702-j.html

1)添付PDFは(IPCCモニタリング等値線0409)、増田先生が気象庁のホームページからとって、等値線を描いたものです。最高値47.5マイクロシーベルト/時間の地点は、100時間で4.75ミリシーベルト/時間ですから環境基準は25時間でオーバーするという強さです。すなわち、ここに1日いると環境基準をオーバーします。しかし、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授のがんの発生リスクは1シーベルト/年ですから、まだ3年近くここに滞在したときにやっとそのリスクの値になるのです。気象庁は自動的に天気図の等圧線を描くプログラムを持っているのですから、等値線を描いた図を公開すればいいのにと、先生は思っておられます。

2)増田図をいただいた後に以下がありました。ほぼ傾向は同じと感じました。
放射線量分布 北西へ飛散裏付け 福島大が地図化/2011年04月14日木曜日河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t63010.htm

3)シイタケ出荷停止
池上先生(大妻女子大学名誉教授)のお話にも、野中先生(新潟大学農学部)の中にも、しいたけは放射性物質をなぜか蓄積しやすいのお話がありました。原木栽培は特に注意ですね。

福島県、地域設定に疑問 露地シイタケ出荷停止指示/4.15河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t61014.htm

露地シイタケ出荷停止 福島東部16市町村産/4.15河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t61013.htm

4)ポスト原発
今後、「原発をなくせば、エネルギー不足になる」に対応することが必要です。
*風力・太陽光エネが原発を逆転 福島事故で差は拡大へ
2011.4.16 共同通信配信で、「米シンクタンク‘ワールドウオッチ研究所’が、2010年の世界の発電容量は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが原発を初めて逆転したとする世界の原子力産業に関する報告書を
原発は、安全規制が厳しくなったことや建設費用の増加で1980年代後半から伸び悩み、2010年の発電容量は3億7500万キロワット。一方、再生可能エネルギーは地球温暖化対策で注目されて急激に増加し、風力と太陽、バイオマス、小規模水力の合計は3億8100万キロワットになり、初めて原発を上回った」といくつかの新聞社が報道しました。元の具体的データを探しましたが、行き着きませんでした。

このニュースに対し、技術士の佐藤国仁さんから、以下のコメントをいただきました。
「原発屋は設備容量でなく、実際の発電量が重要=原発は容量×24時間の発電量なのに、自然エネは容量×天候任せ、で発電量は少ない=といつも言っています。原発はウドの大木なので、小回りがきかず、そのためベース電源とせざるを得ないという逆説でもあるわけですが)。世の大勢を反原発に向かせるには、原発抜きで実際のエネルギー供給が可能だということを知らせることが最も重要とわたしは確信しているので、その点から、この情報の重要性は大です」

増田善信さんからは、
「この資料は原発の発電量が小さいように思えた。原典を確認したいが、できていない。世界全体ではそういうことがいえるかも知れないが、先進国はまだまだ原発に依存せざるを得ないのではないでしょうか。ドイツはいいかも知れませんが、フランスは恐らく当面は不可能でしょう。先進国のCO2をどう減らすかこれが課題だと思います。
『原発なしで電気は賄えるか』という問題では、2006年と2007年の2年間の毎日の最高電力のグラフから、夏の一時期、大工場、大オフィスの休日をウィークデーに回せば、カツカツで可能なことは毎回話していました。今回の計画停電の提案もそれを根拠にしたものです」とコメントをいただきました。

-以上-

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