10月16日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です

1)日本海洋学会の「海からみた東日本大震災」シンポに参加してきました。
学会が広く市民にも公開して(予約不要・参加費無料)、津波と原発影響の調査の中間報告的にお話しいただきました。過日、九州でこっそり開かれた原子力学会など他学会も見習うべき取り組みではないかと感じました(日本海洋学会 http://www.kaiyo-gakkai.jp/main/)。東日本大震災サイトをクリックすると見られますが、現在皆さんの感心が高い海産物の汚染に関する抄録を以下に記します。
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8月27日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です

・以下の2本が放映されます。
なかでも「アメリカから見た・・」は、最初の放送で事実誤認部分があったようで、訂正したものの再放送になるそうです。
2011年8月28日(日)夜10時から
・ネットワークでつくる放射能汚染地図3
・子どもたちを被ばくから守るために
2011年9月4日(日)再放送
・午前0時20分~(土曜深夜)アメリカから見た福島原発事故
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0814.html

・文部科学省 の委託事業として、公益財団法人原子力安全研究協会が内部被ばく医療研修のHPが開設されています。
除染でこれからよく耳にすることになるプルシャンブルーやキレート剤の原理などの解説もあります。必要な時に参考になると思います。 http://www.remnet.jp/

以上

8月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

皆さま
権上です

添付(放射線に立ち向かって生きていくために(8.12) PDF)は、これまでのの改訂版です。近頃、国、東電関係がさかんに「放射線につきあって・」を使うので、タイトルと内容も若干情勢にあわせて変えています。
HPなどへアップされている方は変更いただければ幸いです。

1)コメの早場米結果
千葉、静岡の検査結果が不検出でホッとされている方も多いと思います。
浅見輝男「福島原発第事故ー土壌・農作物の放射性核種汚染」の編集の経験と土壌肥料学会の公開シンポジウムに参加した経験から、以下を感じていました。
1. チェルノブイリ事故は4月下旬、福島は3月中旬、この一か月、早い差によりどれだけ救われた部分があるか。農作物は花が咲いたり芽が出るとき高濃度が与えられると吸収量は格段に大きくなるものがあるため
2. 爆発規模の高さについては、チェルノブイリより福島が低い。これにより、山で汚染物質が止まった部分は大きい
3. 2からの不安材料としては、原発側への山肌の樹木の葉への吸着量はかなりな量である。二次汚染源にならないような手当てが必要。堆肥が心配なのは当然ですね。

2)元祖原子力ムラのコメの世界
かつて、ぜんそく患者さんの自動車メーカーも含んだ大気汚染公害裁判の支援の際、
産業の米、自動車の世論を作るのは難しいと思いましたが、コメはこの比ではないことを実感しています(WHOがコメのカドミウム規制値を1ppmから0.2ppmにしようとした時の日本政府の挙動はまさに元祖原子力ムラでした(現行規制値は0.4ppm)。
今回の放射性核種汚染もしっかりと見据えていかないといけないと思っています。

直接コメの世界の動きではないですが、言論規制の動きが活発です。
資源エネルギー庁の「不正確情報対応」事業の適正化を求める会長声明
東京弁護士会 2011年07月26日
http://www.toben.or.jp/message/seimei/post-253.html

平成23年度原子力安全規制情報広聴・広報事業(不正確情報対応)
経産省資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/info/tender/tenddata/1106/110624b/3.pdf

3)メルトスルーの画像

増田先生からいただきましたので、重複の方はごめんなさい。独立行政法人・原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成していた、炉心溶融のシミュレーション画像。僅か数時間で、メルトダウンからメルトスルーする様子が映像化されています。
動画で見る炉心溶融

4)孫正義氏の脱原発プレゼン資料
さすが手際良いPPです。 http://webcast.softbank.co.jp/ja/pdf/tokotong/20110805_01.pdf

5)児玉龍彦東大教授の動画がブレークしていますが、
動画を見る時間のない方、もりまゆみさんのブログがお勧めです。
手際良くまとめられています(以下の震災日記7/30)。
http://www.yanesen.net/mayumi/

以上

7月18日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。
暑い日が続くと思ったら、台風とか。福島の心配が大きくなります。

1)すみだの学習会の参加者の方からおしえていただいた体の中の放射性物質を取り除く方法を調べましたら、以下にあたりました。りんごを1日に皮ごと2個、干しブドウなどを食するものです。
ーペクチン含有の食品、飲み物の摂取を積極的に心掛けること(特に、リンゴ、干しブドウ、ブドウ、海藻類にはペクチン質が豊富なので積極的に摂取することー
http://satvik.jp/herbs/radiation_1.shtml
もと論文は確認できていないのですが、基本的に繊維質のものは、有害物質を取り除きやすいと言われていること。
食材なため、食べても有害性はないと判断できることからご紹介いたします。
言うまでもないですが、低減の努力は行ったうえでと考えます。

2)牛の汚染が続いています。
最初のニュースを聞いた時、知っていれば犯罪、知らなければ無知と思いましたが、考えを改めました。爆発の事実を隠していたこと、SPEEDIなどの拡散予測の公開が遅れたことなどが、このような形で私たちに戻ってくるのです。常に被害は市民です。
稲わらがこのように広範に流通しているものということも初めて知りました。

(以上)

7月9日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です

長くなってすいませんが、NHKスペシャルの紹介をしましたので、責任を感じて流させていただきます。
1)7月3日のNHKスペシャルについて
専門性の高い方々からの感想は、酷評でした。
お茶の線量が高い理由は、周知のこと。なぜ農学の専門家に聞かず、初めてわかったような報道なのか。なかでも那須の線量の高いところについては、すでに県の調査で分かっていること。ヘリを1km毎で飛ばすなど「大変なお金を使って!」と思うだけ。
私は、この調査メンバーの一人近畿大Y教授の研究目的が???でした。
江東区亀戸の土壌が3000Bq以上と5月中旬に発表された方です。
その後、江東・墨田区では、調査を依頼したり、問い合わせしたり、「健康影響はない、土壌の入れ替えの必要もない」という回答です。
土の種類も場所も深さも記述のないデータを発表し、不安をあおり、再調査を受け、なんでもない。
意味がよくわかりません。
ビジュアル化した研究調査がもてはやされる社会であるとは間違いないようです。

2)報道ステーションの吉原発言が反響を呼んでいます
すみだの環境フェアでも主婦が、「原発やめるわけにいかない」「いままで便利さを享受したていたんだから」などの発言の多さに正直がっかりしました。先の戦争の国防婦人会・「銃後の母」と同じ物言いではないでしょうか。

(以下主旨)
城南信用金庫 吉原毅 理事長(56歳)
「3月11日の前は原発はクリーンで安全なエネルギーであると信じて、特に関心を持っていませんでした。ところが今回の事件をずっと見ていると、いかに危険なものであるかということを痛切に感じました。それと同時に、このような原発に頼るわけにはいけないんだということを、普通の企業とか、個人としてもそうですけれど、はっきりと態度を決めて行動していかないと日本全体が大変なことになると改めて気付かされました」

城南信用金庫は震災以降、いち早く“脱原発”を宣言。実際に行動を起こした。3割節電を目標に掲げ、この3ヶ月間ほぼ実現している。

「企業も、その事業を通じて社会に貢献したい。またはそこに勤めている方々も、誇りを持って日々の仕事に取り組んでいると思います。ですから、こうした問題に対して、企業としても、考え方、理想、哲学、魂を持って行動を起こしていくことは当然のことだと思います」
5月からは“脱原発”のために預金や融資も始めた。太陽光発電などを導入すれば、定期預金の金利を高くし、導入のためのローンについても優遇を行っている。

Q.原発はリスクなのか
「原発がないと経済成長が低下して、日本は二流三流の国になってしまうぞとか、あるいは、電気料金が大幅に跳ね上がって経済が大混乱に陥ると、こういう短絡的な議論が今ありますが、金融機関に勤める者としては、いささか首を傾げざるを得ないと思います。本当に原発は効率的なものなのか、もし仮に、純粋な民間ベースで原発事業がスタートするとした場合に、それに融資する銀行が本当にあるかどうか。おそらく一行もないと思います。原発はそれほどコストが高く、リスクが高いのが実情だからです。金融界としては、国が、あるいは東京電力が、あまりにも強力な力を持っているので、これに対して安心していたということがあると思うんですね。ですから東電債(社債)というものが安心な投資商品であると、また融資も間違いないものであるという風に考えてきてしまったんですが、そこに内在するリスクというものを十分に考えてこなかった。それは正直に言って責任があったのかなと思います」

Q.今後どう対応すべきか
「いま政府を始めとして議論が混乱していると思います。それはいろいろな利害関係が絡んでいるから、なかなか思ったことが言えない状況だと思うんですけれども、それはよく分かるんですが、いま大切なことは、我が国の将来、そして子供たちの未来を考えて、大きく舵を切っていかなければいけないということを具体的に進めていくことが大事なんだと思います」

(以上)

7月3日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。
7月に入ってしましました。暑いですがばてていませんか、ご自愛ください。

*先週は、すみだの環境フェアでした。
東電も通年の1/3くらいのブースをお通夜のように出していましたが近寄る人も少なかったと思います。
しかも通年の看板は「東京電力」今年は「東京電力江東支社」と。
なんと肝っ玉の小さいことと思いました。
雨研ブースは、霧箱実験が大好評でした。
ドライアイスとアルコールで作った霧の中をはっきりとアルファー線、ベータ線が区別して目視で観察できました。
協力者のおかげで、7月10日(13時半・すみだ中小企業センター)の学習会でも実施します。お見逃しなく!おいで下さる方は、少し早目のお出かけをお願いします。
見られるようにしておきます。

*ひまわり除染について
旧土木研のHPが発生源のようですが、急遽訂正版もでました。
http://www.ceri.go.jp/contents/news/20110322.html
しかし、呼び掛け団体HPには、植物体の始末についての記述は見当たりません。
http://hinodekai.org/project

一般にカラダの大きい植物は、有害金属などの吸収量は高いですが、言い換えれば、土壌数センチに堆積したものの放射性物質の体積を増やすだけのことを考えていないのでしょうか?
東京あたりであれば、余り問題はないのかもしれませんが、線量の高い土地では要注意です。

*本日NHKスペシャルを時間許せばご覧ください。私の東京都の友人も出るかもしれません。http://www.nhk.or.jp/special/

以上

6月4日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)ネットワークでつくる放射能汚染の続編があす放映されるそうです。
NHK教育  2011年6月5日(日) 夜10時
続報 放射能汚染地図
ETV特集 『ネットワークでつくる放射能汚染地図
~福島原発事故から2か月~』(5月15日放送)では、福島第一原発正門から1キロ地点の住宅地の一画の土壌を科学者の木村真三氏が採取。サンプルは、プルトニウムの有無を調べるため放射線解析の第一人者、金沢大学の山本政儀教授のもとに送られた。
番組放送後、結果を知りたいという問い合わせが殺到したが、この度ようやく解析結果が出る見通しとなった。果たしてプルトニウムは検出されるのか?

さらに、木村氏のその後の調査で、計画的避難区域や緊急時避難準備区域から外れた福島県南部のいわき市で新たなホットスポットが発見され、その実態が序々に明らかになってきた。

新たにわかった汚染の実態を続報として伝える http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0605_02.html

こちらは再送ですが。

NHKスペシャル
2011年6月5日(日) 午後9時00分~9時58分
総合テレビ 検証・原発危機 第1回 事故はなぜ深刻化したのか ~危機 1週間の記録~(仮)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110605.html

2)お茶の分析試料形態でもめています。お茶には4形態あります。
生葉 荒茶 仕上げ茶 温湯溶出液
神奈川県で4月に初めて検出されたときは生葉試験でした。お茶処静岡県は、温湯溶出液での分析が経験的に行われています。

今回、厚労省から、荒茶での試験を提示され、最初は静岡県知事は反対を表明、一転して、受け入れました。
分析は食する状態に準拠が最も重要とされます。今回の一連の報道で、「なぜ??」と思っていましたが、蓮舫氏の会見を見て、「国はこんなに安全をとっているんだ」という姿勢を見せたかったのではと感じた次第です。

お茶は本来カリウムの多い植物で、今回検出されているのは葉由来であろう。しかし、溶出してのむ分には放射性物質の摂取は低いのでは、というのが、専門分野の方の見解のようです。

もっとも心配なのはコメの汚染という見解でした。私たちは、何といっても他の食品よりも摂取量が多いからです。一刻も早く田の汚染状況を把握する必要があるのですよね。お茶のように荒茶でと簡単に政治家が言えば済むことだけをしていないでほしいと思います。

5月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)NHK ETV特集についていただいたメールです。(NHKの知人が震災後すぐ汚染覚悟で現地入りし、渾身を込めた番組です!)
福島原発事故から2ヶ月間取材を重ねた番組が今度の日曜日、5月15日に放送されますので、ご案内させていただきます。

「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2ヶ月」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
放送日時:2011年5月15日(日)22:00~23:30(90分) NHK教育テレビ
原発事故直後、元放射線医学総合研究所の研究員、木村真三さん(43歳)
は勤務先の研究所に辞表を出し福島の放射能汚染の実態調査に入った。
強烈な放射線が飛び交う原発から半径10キロ圏にも突入、土壌や植物、
水などのサンプルを採取、京都大学、広島大学などの友人の研究者たち
に送って測定、分析を行った。
また、かつてビキニ事件やチェルノブイリ事故後の調査を手がけた放射
線測定の草分け岡野真治さん(84歳)が開発した測定記録装置を車に積んで、
汚染地帯を3000キロにわたり走破、放射能汚染地図をつくりあげた。

その途中で見つけた浪江町赤宇木の高濃度汚染地帯では何の情報もない
まま取り残された人々に出会う。
また飯舘村では大地の汚染を前に農業も、居住もあきらめざるを得なくなっ
た人々の慟哭を聞き、福島市では汚染された学校の校庭の土をめぐる紛糾
に出会う。
国の情報統制の締め付けを脱して、自らの意志で調査に乗り出した科学者
たちの動きを追いながらいま汚染大地で何が起こっているのか、を見つめる。
独自データを用いた調査報道です。
    ・・・転送ここまで・・

前にも送りました、以下と関係あるのでしょうか?日曜日にじっくり拝見したいと思います。

京大の今中哲二さんらが行った、飯舘村周辺での放射線計測のレポート
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf

2)足柄茶について

 本日、環境土壌学の先生に電話レクチャーを受けました。
「お茶の生葉に暫定基準値は決められていませんが、野菜類の500Bq/kgを準用したものでしょう。しかし、セシウム汚染が単なる降下物による葉の汚染であるならば、お茶の生葉を製品にする場合は洗浄の工程があるものと考えられ、その段階で一定量の除染はあると考えられます。また、製品のお茶を飲むときには、急須に入れて、温湯で浸出しますので、この間にどれくらいのセシウムがでてくるかを調べる必要があります。しかし、一日に使用するお茶の製品はごく僅かです(植物そのものを食べるのではない、溶出率はどの位か不明だが、100%とは思えない)ので、あまり問題にならないと思います。植物としての茶が、葉面あるいは根からどの程度セシウムを吸収するかについては、小生は知りません。静岡県の茶業試験場あたりで、ビキニ事件の後に研究したかもしれません」
という見解でした。

ネットで調べ、分析値の分母は、製品の茶ではなく、生葉ということを確認しました。
(この分母の違いで10倍くらい異なることになります。想像ですが、所沢ダイオキシン騒動の元を作った報道番組はこの分母を間違えていたと思っています)

私の仕事上で他の元素ですが必須元素の場合、植物の生長点(葉の先端部など)に集中する現象を知っていました。セシウムとカリウムは挙動が似ているので、必須元素として、茶の若葉に集まるのではと推察しました。他の野菜は不検出なことも考慮しました。

以下の(あまり引きたくはないのですが)教えてgooにも同様の意見がでていました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1062066455

3)土壌汚染の上下入替について
同じく電話レクチャーで学んだことです。
「校庭の土壌上下入替は、農業分野でも「天地替え」という手法がある。一部イタイイタイ病のカドミでも行われている。日本のような雨の多い地域では、汚染物質は一般に上への移動がないため、成立する方法」
なのだそうです。しかし、
「校庭のような平滑な地面では、これも成り立つが、森林、作土などはどうするつもりだろう。極めて膨大な量であるし、立ち入りなど除去困難なところも多い。植物による除染も言われているが、その植物体の始末はさらに膨大な汚染物質を扱うことになり、極めて困難な作業」
とのお話でした。

4)津波被災地のアスベスト問題
お問い合わせを受けました。海岸沿いの冷凍倉庫などがアスベストの発生源として心配されますが、
密集度が都会地とは比べ物にならないほどなのではと思います。

環境省アスベスト予備調査結果が好評されました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13755

以上