みなさま
権上です
●大飯再稼働批判相次ぐ 滋賀県原子力防災専門委初会合(5月2日)
5日に全原発停止か否かのカギを握る大飯原発について、滋賀県の上記の会合が行われ、参加した委員のお一人から短文付きで流れてきましたので、お知らせします。
「何かを取り纏める委員会ではなく、専門の見地から意見を述べ合うだけとのことでしたが、嘉田知事の言動の後ろ盾になるようなディスカッションを知事が期待しているのかと思います。知事は最初から最後まで参加されていました」
報道記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120501-00000020-kyt-l25
●講演や聴講も多い4月でした。
様々な講演を聞きましたが、印象に残った事のメモを記します
1)今中哲二(京大原子力工学)氏
「『(放射線の影響で)○○から東は、避難しろ』という言い方は、私にはできない。
ただ、私(および家族)がどうするかには答えられ『大阪問題ない。東京の娘;注意事項を知らせ、勤めを続けている。
私が福島市で働くことがあれば喜んで働く。しかし、孫がとなると悩みます』と」
2)Y.ステパーノヴナ(ウクライナ放射線医学研究センター)+ミハエル・ヴラジミロビィッチ・マリコ(ベラルーシ国立科学アカデミー)
・ウクライナの避難は早く、わずか3時間で4.5万人(うち子供1.7万人)が避難
・一方、ベラルーシは、大幅に避難が遅れた。最後は9月上旬。この差が被ばく量に決定的な差をあたえた。避難費用は、全額国の負担
・「原爆の被ばく量―健康影響」は、低線量被ばくの場合参考にはならない
・低線量域は、直線が最も納得できると考える
3)いわゆる「原子力ムラ構成員」の講演
最も印象深かったと言えます。
冒頭あいさつ「福島第一で事故を起こしてご迷惑をかけました(「申し訳ない」は決して言わない)」
チェルノブイリ影響は、ロシア限定(最も被害の大きいベラルーシ、ウクライナには触れない)
食材の暫定規制値は、EUなど、非常時限定の1000Bq/kgなどと比べ、日本の基準はいかに厳しすぎるかを強調する。会場からは、「農家いじめ、流通いじめの基準だ」の声多数。
ベラルーシ、ウクライナの基準値や、ウクライナで基準を緩めたら被ばく量が上がった話は決してしない。放射線影響の心配ないは「桶屋論(心配し過ぎると体に悪い)」だけ。
●書籍のお勧め
1)環境省の大罪 杉本裕明(朝日新聞記者)著 PHP出版
4月29日発売。私が皮膚感覚で感じていました3.11後の環境省の動きの鈍さの理由がわかりました。がれき処理などのおかしな動きも。これほどの国の非常時にもここまで、ビジョンもなにもない政治や行政に愕然とする思いは私だけではないと思います。
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80529-0
2)大学生がえがく脱原発の未来マニュアルフェリス女学院エコキャンパス研究会 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/tbook/shoseki/tko2012020103.html
きれいで、やさしく、わかりやすく、主張ははっきりと、各地で活動をされている方にはお勧めの一冊です。
●原発の安全性と持続可能エネルギーの可能性を論じ、「縮小社会」を目指す
上がだめでも市民の行動力でもっている国と強く思う今日この頃です。技術者のなかでもこのような学習の場を提供していただいています。(私の講演会講師の経験では、技術者の反「脱原発」意識が最も強い)参加の場合はHPひらき直接お申し込みください。
回数 開催日 演題 講師 所属
4 2012年5月12日(土)10~12時 そもそも原発の安全運転は可能なのか 後藤政志 NPO法人APAST理事長
5 2012年6月2日(土)10~12時 持続可能エネルギーの展望 山下紀明 NPO法人環境エネルギー政策研究所(飯田哲也所長)
6 2012年7月7日(土)10~12時 縮小社会という新たな社会像 松久寛 京都大学名誉教授、(縮小社会研究会代表)
(2) 会場 日刊工業新聞社セミナー室
103-8548東京都中央区日本橋小網町14-1
http://www.sato-rd.co.jp/kouen3.html
「学び、自分で判断できるようにしないと、身は守れない」だけははっきりしていると思います。
ともに頑張りましょう。
(以上)