4月12日 おそれて、こわからず / 権上かおる

本日レベル7にあがり、いっそう不安感を持ったことと思います。
しかも解決への道のりは全くと言っていいほど知らされません。

1)上記と関係あるのかどうかですが、
東大の原子力工学者(事故直後によくNHKに出ていらっしゃった関村氏ほか8人)が、福島原発の現状と今後の見通し?について、ウェブで見解を公開しました。
なんと4月11日のアップです。なんでこんな遅く!専門家なんだからもう少し早い対応を!と思うのは私だけではないでしょう。 原子力工学研究者からのメッセージ

途中を読む時間がない方も最後のコマだけ見てください。

「東大の原子力工学をでていない私でもいえることだ!」と叫んでしまいました。
収束させる過程をどうするのか、全国民は知りたいのです。こんなことは誰にも言えます。

以下は、増田善信さん(気象学者・広島の黒い雨の雨域を調査・原爆症裁判証人でもあります)の急いで書いていただいた批判です。

「事故の経緯と今後の可能性について」という表題であり、「どのように備えるかを含め、とりまとめを試みたものです」というから、もっと具体的な解決法が提案されるのかと思ったが、せいぜい以下のことが唯一の提案のようです。

・γ線空間線量率の把握のみならず、固体放射性物質からのα線、β線の検出と核種同定や中性子検出を行えるモニタリング箇所を追加することを含めて、モニタリング体制を強化する
・仮に「ドライベント」や「水素爆発」がおこった場合には、モニタリング情報を公表、共有することによって、屋内退避等の措置をとるべきかについて、原子力安全委員会が定める基準等に基づき、速やかに判断できるよう適切な情報を得られるようにする

モニタリングポイントを増やし、モニタリング情報を公表するというのは徒然ですが、将来ではなく今すぐやる必要がある。以下問題点を列記すると

1,事故との関係で「燃料プール」が問題になっていたが、そのことがまったく触れられていない。
2,3号機はプルサーマルであることも触れられていない。
3,水漏れが続いているのはどこかに穴が空いているからで、それを塞ぐことが最優先されるべきだと思うがまったく触れられていない。一体どうしたら冷温安定化すると思っているのだろうか。
4,放射能の問題でいえば、原子炉の中の放射能の量は今までの運転履歴によって大まかに予測されるはずである。その数値さえだしていない。あるいは出すことを要求していない。もし水蒸気爆発などで放射能が出るとすると最大どれだけの放射能が出るか、その総量を出して、最悪の場合を想定すべきだと思うが、一切なされていない。
5,終息するまでの時間はどのくらいを考えているのか。それによって、注水した水が敷地内に溢れる可能性があるが、そのことにもまったく触れていない。
これが原子力の専門家集団の見解とは驚きです。

2)元原発格納容器の技術者であった後藤政志さんのお話を聞きました。
添付に短いメモをつけました。 後藤さんの話を聞いて

以上、長くなってすいません。

4月6日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)新潟大学野中先生よりいただいた土壌汚染の考え方です。
(浅見輝男氏(私が編集を担当した日本土壌の有害金属汚染著者)と同じ環境土壌学の後輩先生) <本文は、添付PDFにあります> 野中・土壌汚染PDF

2)上関原子力発電所(山口県)
ご存知の方も多いと思いますが、中部電力の予定原子力発電所で、4つの漁協のうち人口500人くらいの祝島の漁協が先祖から伝わる海を売り渡すことはできないと反対の立場に立ち、長年建設できないでいました。
ところが、上野にパンダが運ばれた日に強制着工を開始し、今日現在(4/6)島民より多い人数を投入して、発破作業を行っているそうです。この反対運動の記録映画が東京では現在、新百合ヶ丘、16日から渋谷、あとで東中野で上映されます。
素晴らしい映画で、東京の映画館で終わると満場の拍手が起こるそうです。機会がありましたら是非ご覧ください。
東京電力もこの期に及んで、3月31日に福島第一7,8号炉の建築計画を県に提出し、県から突っぱねられているそうですが、電力会社の体質は一向に変わらないようです。
映画のオフィシャルサイトです。http://888earth.net/

3)福島第1原発事故、昨年議員が同様な事故の可能性警告
2011年 3月 28日 16:52 JST 福島第1原発事故、昨年議員が同様な事故の可能性警告 – WSJ日本版 – jp.WSJ.com
この吉井議員が本日質問に立ったそうです(お断り、すいません。私は見ていないで添付しています)。
衆議院TV http://www.shugiintv.go.jp/jp/
*「2011年4月6日」、「経済産業委員会」を指定して検索してください。

4)東京都が4日付けで水の汲み置きのすすめを掲載
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/h23/press110404-01.html

4月3日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)4月2日に科学者会議のミニシンポがあり、途中参加してきました。食品・水に関することの要点を添付します。池上講演要点(PDF)

2)いただいたメールです。水産物の放射性物質の検査結果についてが出ました。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/kensa/pdf/20110330_data_sheet.pdf
これによると銚子港で3月24日に水揚げされたカタクチイワシからRadioactive Caesium(137-Cs) 3.0(Bq/kg)が検出されました(基準値をオーバー)。
カタクチイワシは回遊魚です。丁度,11月頃から5月頃までは,南下する親潮に乗って茨城県から千葉県沿岸を経て相模湾にやってきます。そして,食物連鎖の栄養段階(TL)が3なので,植物プランクトンー動物プラントンを経てカタクチイワシに移行したものか直接海水から摂取したものと考えられます.早すぎるので後者ではないかと考えますが如何でしょうか。
それにしても,保安院の海水に出た放射線物質は拡散して薄められるとの見解は事実ではないと考えます。
カタクチイワシは海洋食物連鎖のkey speciesです。いずれ,高次捕食者に移行することが予想されます。

3)NHKドキュメンタリー「原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~」
原発は原爆を薄めるための「毒をもって毒を制す」原子力平和利用の話
正力松太郎、読売Gの役割は聞いてはいましたが、映像で見せられると、ここまでかと思います。
セリーグ(実質ジャイアンツ)が開催日を遅らせるのに抵抗したこともわかる気がします。
武谷三男氏も登場します
原発導入のシナリオ~冷戦下の対日原子力戦略

3月28日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

原発の状況はますます深刻さをましております。
なんとか子どもたちへの影響を防ぎたいと思い、一斉送信をしております。以下にいただいたメールを2本紹介いたします。
(余談;今日発売のアエラの「安全な飲み方と食べ方」はう~んとうなりました。これでどのくらいの方が判断できるのかと思いました)

1)米国のシュタイナー幼稚園で働いている丹羽博美さんが書いた文章のあるサイトです
こどもたちへいかに災害を伝えるかが、非常に具体的に記述されています。http://noharajp.net/openforum/article/28

2)映像はやはり、圧倒的な力を持っています。
東日本大震災の翌日から、福島、宮城、岩手などで取材を続ける日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)のメンバーたち。これまでインターネット等で報告してきた内容を、「fotgazet 号外」(38ページ)として無料配布します。このファイルは転送/転載歓迎です。みなさまの力で広めてください。
ダウンロードはこちら http://fotgazet.com/

添付
今後福島原発は+生活上の注意+単位など(2011/3/28記述)
福島原発事故は今後どうなる - 増田講演(2011/4/2)

3月24日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

都合により、雨研HPのメンテができないでいますが、市民科学研究室のHPにおもなものが掲載いただいております。
その他の情報も充実しています。ご参照ください。http://www.shiminkagaku.org/

添付は、増田コメントの載る東京新聞です(重複の方もありますご容赦)。2011322東京増田記事

生活上の注意に本日の水道水問題を含め追加します
3月23日

●服装
フードの襟に毛皮が付いているものは、汚染物質がつきやすいので、ふちの毛皮部分は外して着用する
洗濯物は当面、乾燥機か室内で乾燥させる

●水道水の131ヨウ素汚染対策

妊婦さんと乳幼児の飲料用を優先して考えることを原則とする
ペットボトルを買い占める対応は慎む

1)活性炭、炭(シンプルな活性炭の浄水器、水に炭を入れておくなど)に
  水道水を接触させて回収は、非常に有効 *

2)貯め置き 冷蔵庫でも冷凍庫でも可 ヨウ素は気体のキセノンになる
  ヨウ素の半減期は8日間だが1日程度の溜めおきでもかなり減衰する
  冷蔵庫や冷凍庫であれば、もう少し期間を延ばせるので 有効

3)煮沸で揮発性のもの仮に吸っても、飲むよりまし で 有効

4)中空糸膜浄水器 あまり ヨウ素には有効でない

炭素(炭や活性炭)とヨウ素は非常になじみがいい。1)2)3)の組み合わせで対応を。

*活性炭や炭が入手困難な場合、割り箸をアルミホイルにつつんで焼いて炭をつくり
ペットボトルの水にいれれば少しは取れるかもしれない

ただ、今回公表されたもの以外にも、様々な放射性核種がいろいろ検出されていますので、
それらを含めて正しく評価する必要はあると思いますが、まず退治できるところのヨウ素を除きましょう。

●雨の後
地表面の粉じんは、舞い上がり粉じんなりやすい。放射性物質がついているかもしれないので対策として、マスクを着用しましょう。

3月19日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

東北関東大地震で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
未曾有の災害に加え、福島原発に不安を持っておられる方が大部分と思います。
雨研の代表幹事である増田善信さんは、かねてより、原発の事故は、地震そのものよりも津波の被害が大きくなることが問題と指摘されています。昨年12月に行った講演のレジメ(あらためて問われる原発の安全性(2010/12/06))を許諾を得て添付しました。

一点お断りがあります。
今回の事故で初めて増田さんが知った原発の操業実態があります。
1)使用済み核燃料が建屋内に一定期間保管されていること → 休止中の炉からの火災という前代未聞の事態を発生させた
2)導水管は、沖合まで取水口をのばすものとされていたのが、原発直近の海から採水していること → 添付のレジメで、2)については実態と異なる記述になっていますが、主な主張に差異はないので、このまま添付させていただきます。
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