第18回月1原発映画祭+交流カフェのご案内

10月の月1原発映画祭は『100,000年後の安全』を上映します。フィンランドが世界に先駆けて着工した高レベル放射性廃棄物の最終処分場、「オンカロ」を取りあげたドキュメンタリーです。

最近、ここを視察した小泉元首相が「原発ゼロ」しかないと発言したそうですが(8月26日毎日新聞)、どのみち日本も諸外国も原発保有国は避けては通れない放射性廃棄物問題。奥深くこの問題を掘り下げて問いかける、思わずうなってしまう映画です。

上映後は、原子力資料情報室で廃棄物問題を担当している澤井正子さんにお話をうかがいます。(澤井さんのご都合により夜の部のみです。昼の部は映画上映のみ)
ぜひお誘い合わせのうえ、お早めにご予約ください。ご参加お待ちしています。

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第18回月1原発映画祭+交流カフェ
『100,000年後の安全』上映+澤井正子さん(@原子力資料情報室)のお話

日時:10月5日(土) (開場は各30分前)
【昼の部】14:30~16:00 上映
【夜の部】17:30~19:00 上映
     19:00~19:20 澤井正子さんのお話
     19:30~20:30 交流カフェ

チラシ(PDF)  http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-09-05-1.pdf
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第16回月1原発映画祭『こんにちは貢寮(コンリャオ)』上映+交流カフェ

今回はお隣台湾の原発を取りあげた『こんにちは貢寮』を上映します。

このところ安倍首相のトップセールスのもと、猛烈な勢いで中東諸国やインド、トルコ等に向けた原発輸出が進められています。今回の映画に出てくる台湾の第四原発は日立、東芝、三菱による日本の輸出原発第1号。住民の反対と度重なる事故で、いまだ完成していません。

今年、この建設の是非を問う国民投票がおこなわれる予定で、なりゆきがおおいに気になります。
ふだんあまりニュースとして入ってこない隣国の事情ですが、台湾は日本と同じように地震多発地域、そこで原発をめぐってどんなことになっているのか、ぜひ映画で観て語り合いましょう。

ご参加お待ちしています。

案内ちらし http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-07-05-1.pdf

●日時:8月3日(土) (開場は各30分前)
【昼の部】開場13:30/14:00~15:30 上映/15:40~16:30 交流カフェ
【夜の部】開場17:00/17:30~19:00 上映/19:15~20:30 交流カフェ

●映画『こんにちは貢寮(コンリャオ)』
1991年、日本から輸出される原発に揺れる台湾北東部の貢寮で、原発に反対する青年が無実の罪で投獄された。
それから7年、獄中に向けて一人の女子学生が手紙を書き始めた。
進んでいく工事のこと、それでも反核を貫く人びとのこと、そして志半ばに亡くなっていく老人たちのこと。
原発をめぐる歴史の中で、政治でもなく、経済でもなく、科学でもない、本当に信じるべきものがきらめき始める。
(監督:チェ・スーシン/台湾/2004年/カラー/89分) http://www.selectourfuture.org/gongliao/

「彼らにとって、原発に反対することは、この土地を愛すること、この海を愛すること、家族を愛すること」チェ・スーシン監督

●交流カフェのゲスト=陳威志(ダン ウィジ)さん
(一橋大学社会学研究科博士課程在籍)
陳さんは2005~08年、第四原発反対運動に取り組む台湾緑色公民行動連盟に勤務し、その間、上映会のためにチェ・スーシン監督とともに祝島、広島、北九州などを訪問。修士論文に祝島住民による原発反対運動を取りあげるなど、原発立地地域の問題に関わってこられました。
当日は、この映画の背景や第四原発をめぐる国民投票のことなどお話しいただく予定です。

■参加費:上映各回500円 (中学生以下無料)。
交流カフェは、昼の部は300円~(茶菓付き)、夜の部は500円~(飲み物・軽食付き)、別途カンパをお願いします。

■会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)
メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、 延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。
築54年の木造耐震補強民家。目印は格子戸。http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-05-14.jpg

■定員:各30人(必ず予約をしてください)

■申込み方法:以下いずれかの方法で予約してください。
① 申込みフォームから
・昼の部 http://kokucheese.com/event/index/98917/
・夜の部 http://kokucheese.com/event/index/98919/
②メール tsukiichieigasai@yahoo.co.jp
*件名を「月1原発映画祭申込み」として
参加内容(昼・夜の別、交流カフェ参加有無)を明記してください。
③電話 090-1265-0097(植松)

■主催:地域から未来をつくる・ひがし広場
http://www.jtgt.info/

第14回 月1原発映画祭〈本祭〉+交流カフェ『夏休みの宿題は終わらない ~英・仏の核燃料再処理施設の周辺に生きる人びとと出会って…』上映

第14回 月1原発映画祭〈本祭〉+交流カフェ『夏休みの宿題は終わらない ~英・仏の核燃料再処理施設の周辺に生きる人びとと出会って…』上映

☆交流カフェのゲスト=この映画の制作者、倉岡明子さん
チラシPDF:http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-06-01-leaflet.pdf

日時:6月1日(土)
【昼の部】13:00~15:30(12:30開場)上映のみ
【夜の部】17:00~20:30(16:30開場)上映+交流カフェ

●映画『夏休みの宿題は終わらない』紹介
フランスのラ・アーグ、イギリスのセラフィールドの核燃料再処理施設がもたらしている放射能汚染による健康被害について、地域住民たちの切実な証言を取り上げたドキュメンタリー。1988年夏の約1か月間、親子3人で旅をしながら各地でインタビューを敢行、人びとの日常生活の喜怒哀楽を交えて記録しながら、核燃料再処理施設と共に生活する現実に迫る。 http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-06-01-1.pdf (制作・インタビュー:倉岡明子/監督・撮影・編集:山邨伸貴/1989年/130分)

●倉岡明子さんのプロフィール
1947年青森市生まれ。フランス大使館、アテネフランセ文化センター勤務後、現在はフリーランスの仏語通訳と日本語・仏語教師。
1978年に長編記録映画『東京クロム砂漠』を自主制作、81年に青森県六ヶ所村に入り、約3年にわたって村の人びととその生活を記録。撮影中の84年に六ヶ所村への核燃料サイクル基地立地要請が浮上、その時から仏ラ・アーグや英セラフィールドに住む人々に直接会って話を聞きたいと願いつづけ、のちの『夏休みの宿題は終わらない』の制作につながった。『六ヶ所人間記』(16㎜/171分)は85年完成、86年マンハイム国際映画祭特別賞を受賞。

■会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)
メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、 延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。
※築54年、耐震補強民家のコミュニティ・スペースです。

■参加費:1000円、学生500円、中学生以下無料 *交流カフェは別途、飲食代として500円~カンパをお願いします。

■定員:昼・夜各30名(必ず事前に予約をしてください)

■申込み方法:以下いずれかの方法で予約してください。
① 申込みフォーム
【昼の部】http://kokucheese.com/event/index/89038/
【夜の部】http://kokucheese.com/event/index/89040/
②メール masa5884@y8.dion.ne.jp
*件名を「月1原発映画祭申込み」として
 参加内容(昼・夜の別、交流カフェ参加有無)を明記してください。
③電話 050-3059-6328(小林)

*当日のお問い合せ:電話090-1265-0097(植松)

■主催:地域から未来をつくる・ひがし広場 http://www.jtgt.info/

★今後の予定★
月1原発映画祭は、昨年5月から今年の4月まで毎月1回開催してきましたが、このペースで続けるのはなかなかむずかしいものがあり、ちょうど1年たったところで開催方法をちょっと見直しました。
月1原発映画祭のタイトルはそのままですが、2年目からは偶数月を月1原発映画祭〈本祭〉、奇数月を月1原発映画祭〈陰祭〉とすることにいたします(いずれも原則第1土曜日)。
〈本祭〉はこれまでと同様に[映画上映+交流カフェ]を開催、〈陰祭〉は企画検討を兼ねたスタッフ勉強試写会に充てたいと思います。
どうかご理解のほど、よろしくお願いいたします。

5月11日(土) 第13回陰祭=スタッフ勉強試写会〈スタッフ募集!〉※
6月1日(土) 第14回本祭=『夏休みの宿題は終わらない』上映
7月6日(土) 第15回陰祭=スタッフ勉強試写会〈スタッフ募集!〉
8月3日(土) 第16回本祭=『こんにちは貢寮(コンリャオ)』上映(監督:チェ・スーシン/台湾/2004年)
http://www.selectourfuture.org/gongliao/

※5月の陰祭のみ第2土曜日開催、スタッフ希望の方もご参加いただけます。
ただいまスタッフ大募集中につき、関心をお持ちの方は植松(uematsu@kkd.biglobe.ne.jp)まで。

2013年4月22日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

汚染水問題その3です。
訂正です。汚染水の核種は公表されていないのではなく、これまで報道が少なかったようです。4月20日にいろいろな新聞にも見られましたが、ストロンチウム90、セレン79、水素3などが主成分の核種といえそうです。多核種除去装置対象核種が62種だそうで、専門分野では当たり前のことでしょうが、 放射性物質の数の多さを突きつけられます。

水素3は、最近報道が多いトリチウムで、ほとんど水と同じ成分と言えるため、除去の方法がないそうです。これが漏れした汚染水の主ではないかと言う専門家のご指摘もいただきました。

●10年で汚染水は海へ到達
同じく20日の新聞で報道されました。これは、土壌の透水係数(土中の水の流れやすさを示すもので、値が大きいほど水が流れやすいことを示す)により算出されたものです。この値のとり方で、どうにでもなりますし、また長ければいいと言うことにもなりません。仮にサイト内がきれいに片付いても、10年後に汚染水が海に現れます。地震、津波によるひび割れや水みちへの考慮が必要と言われる専門家もおられます。

●貯水槽構造について
いくつかの質問をいただきました。いろいろ調べましたが一般論として読んでください。

【漏水感知センサーの密度は?】
通常は10mか5mグリッドでの検知で行っているようです。今回の大きさを考えれば5mを敷設がこの用途の常識か。

【第2貯水池の上を人が歩いている。どうなっているの?】
第2の汚染水移送が難航しているのは、蓋掛けしてしまったためと言われています。蓋材をかけただけではたわみますので、下側にブイのようなプラスチックボールでたわみを防ぐのだそうです。蓋材は、おそらく高分子材料、遮蔽のために、その上に土盛りをするのだそうです。

【下面のシートの上においたコンクリートが割れてシートを破いた報道(福島民報2013.4.20)】

東電が4つの原因(底のひび割れ、のり面接触部、のり面の孔付近、貯水槽の角の防水シートの継ぎ目)の推定を公表「いずれも水圧で構造物破損と推定」
どれをとっても4面コンクリート構造物にする必要があったことを示しているのではないでしょうか?水位4mで底がひび割れだとしたら、コンクリート厚は薄いものだという指摘もありました。

【大量の水を溜めるための構造物か】
産廃処分場で使われるもので、大量の水は初めての事例でしょう。エンジニアの方から、初めての技術を使うための「技術の予見可能性」についてメールをいただきましたので、許可をいただき以下に記載します。

「技術というものは、科学的知見および過去の経験則を踏まえ、一定程度の予見を固め たうえで実施されるものである。一定の予見の基に行われるから、その結果は多くの場合はその予見の通りに実現される。大きなエンジンを積んだ車を作ればエンジンが大きくなった分だけ速度を向上できるというようなものである。しかし、技術の予見可能性とは絶対の予言ではない。言葉の真の意味での「想定外」というものが常につきまとうのであり、それが技術の難しさである。今回の大量漏洩事故については、東電は、爆発事故直後に、暫定での貯留をせざるを得なかったとして、そのための貯留池を作ったときに並行して同型の貯留池を作って常に貯留水の厳格な管理を続け、さらに恒久的な貯留槽を準備するということが唯一のあるべき方策であった。未確認の技術を適用する場合には、必ず失敗の可能性があることを認識し、失敗の予兆を掴み、失敗時の対応策を準備しながら稼働させることは常識中の常識である。この技術の原則を軽んじた東電は、あらためて原子力技術を扱う資格がない と断罪されるべきであろう」

●「すずらん」という低濃度放射性核種除去専用船をご存知の方おられますでしょうか?
原子力潜水艦が放射性物質を垂れ流すのに対して、日本が旧ソ連に贈ったものだそう。 今回の事故に際して、戻そうかの打診に日本はなにも返事をせず、そのままになっているのだそう。これは使えないのでしょうかねえ。
以下外務省のHPです。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/kyuso/suzuran.html

以上

2013年4月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

汚染水問題その2です。

先日のメールで、私の疑問への回答やご意見などたくさんいただきました。ありがとうございました。
さらに基本へ戻るかもしれませんが、続けて考えていきたいと思います。

●まとめ●
・事故を起こした地下貯水槽1~3号の貯水量は、3万8000トン、容量は代々木国立体育館プールの約50.7個分
・穴掘って、ポリシートに水を直接ためる設備は、農業用溜め池にしか例はないのではないか
・産業廃棄物処分場で雨水漏れを起こしていることは、東電と保安院は承知していて2重シートを3重シートにして
 安全性を確保したと言う見解
・使用後1ヵ月もたたない段階での事故
・核種については、公表はない
・最も漏水量の多い2号で120トン、含まれる放射性物質、7100億ベクレル
 (計算をすると130トン、7200億ベクレルと公表値は低い!?)
・この量は、2011.4.4~4.4.10の意図的放出や同5.10~5.11の漏水に放射性物質量と同等のオーダー
・公表された漏水の濃度から2号貯水槽の放射性物質の総量を求めると78兆ベクレルで
 2011.4.1~4.6の漏洩の約1000分の1のオーダーに相当する高濃度である。

・・・・・・まとめを得た根拠・・・・・・

【事故が起こった地下貯水施設について】
(1)問題の地下貯水槽は汚染水対策の最も主要な設備であった。代々木国立体育館のプール(50×12×1.25m=750m³=750トン)を枡にして比べると、
   容量(東洋経済2013.4.9より) 代々木プール枡の
   第1号;     1万3000トン      約17.3個分
   第2号;     1万4000トン      約18.7個分
   第3号;     1万1000トン      約14.7個分
   合計       3万8000トン      約50.7個分
   いかに膨大な汚染水を受け取る施設だったかがわかります
         
(2)(前回の私の疑問でもありました)穴掘って、3重シートに直接貯水する施設は、農業用水の溜め池程度の事例はあるそうです。しかし、農業用水溜め池は、3-5%の漏水率を認められているものです(=このくらいは漏れてもいい、もちろん放射性物質を含む水ではありません)

(3)保安院、東電はシート方式は雨水もれをおこすことを承知の上で許可・使用していた。全国で400ヵ所の産業廃棄物処分場(ベントナイトシートとポリエチの二重構造)で雨水漏れを起こしているが、もう一枚ポリエチシートを加え、3層にして安全とした。(16日東電記者会見,福島民報2013.4.17)

(4)2013年2月に貯水を始め、3月にはや漏水が確認したようだ(東京新聞2013.4.7)。劣化や腐食の問題が言えないことを表している(=根本的施工計画の問題)

(5)汚染水に含まれる核種は、(私の調べた範囲では)公表されていない以下はみなさまからいただいたご意見です(ここでは正否の判断はいたしません)。
   ・多核種除去装置(アルプス)はまだ試運転段階で本格稼働とは言えない現状
   ・サリー(SARRY)東芝製は稼働しており、ゼオライトによりセシウムの回収はしている
   ・核分裂生成物中の希ガスや蒸気圧の低い気化しやすい元素はもう抜けきり、
    それよりも大量に含まれているのがトリチウムH3と炭素14ではないか?
   ・いまも原発では核反応がすすみ、日々生まれているヨウ素
    (水溶性=水に溶けやすい,陰イオンはゼオライトでは回収できないためサリーを通過しても回収できない)が主であろう
   ・ストロンチウム90,ルテニウム106,セシウム137,セリウム144,セシウム134が2年経過後の主の残存核種

(6)漏洩量(放射性物質量)を2号貯水槽について、専門職の方に算出いただきました。
  (根拠となる数字は、福島民報2013.4.7)
  ①大きさ(地表部):縦62m・横55m・深さ6m
  ②漏水量:120トン
  ③含まれる放射性物質:7100億ベクレル(→600万ベクレル/kg×120000kg=7200億ベクレルとなるのですが、100億ベクレル少ない)
  ④水位の低下量:4cm→0.04m
  ⑤原子炉の冷却水から放射性セシウムを除去した汚染水である
  ⑥漏水の分析結果:6000ベクレル/1cm³ (トン単位の水が漏洩しても放射性物質濃度は角砂糖程度(1cm³)の量の濃度で表示されます)→600万ベクレル/kg
  ⑦当時の貯水量:13000トン

試算の過程
1) 2号の総貯水容量を求めます:(地下貯水槽は上が大きい台形の形状)
      ①から掘削勾配1:0.5(岩盤掘削)と仮定して
     (62+56)/2×(55+49)/2×6≒18000トン→漏水時⑦の貯水率は、約70%であった。
2) ⑦のときの貯水位:61m×54m×4m≒13000トン→約4mであった。
3) ④から、61m×54m×0.04m≒130トン→報道では120トンと記載→ここも10トン少なく広報か?

【事故直後の意図的放出量との比較】
1) 放射性ヨウ素の放出量 15;乗数(上付き)の意味
  2011年4月1日~2011年4月6日間の漏洩   :I―131  2.8×1015ベクレル
  2011年4月4日~2011年4月10日間の意図的放出:核種不明  9.4×1011ベクレル
  2011年5月10日~2011年5月11日間の漏洩 :I―131  8.5×1011ベクレル

2) 前述のように汚染水は、2号貯水槽からの漏水120トンで7100億ベクレル(Bq)として、濃度は約600万Bq/kgとなります。
 2号貯水槽の放射性物質の総量:600万/kg×1000(1トンあたりへの換算で)×13000トン=7.8×1011ベクレル→78兆ベクレル

3) 2号貯水槽全体の放射性物資量(ベクレル)は、2011.4.1~4.6間の漏洩の約1000分の1のオーダーに相当する。
4) 漏洩した120トンの汚染水は、2011.4.4~4.4.10の意図的放出や同5.10~5.11の漏水に放射性物質量と同等のオーダーといえる。

(以上)

2013年4月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

地下貯水槽汚染水漏れ問題が取り上げられている昨今ですが、基本的なことから考えてみたいと思います。この分野に詳しい専門職の方に解説いただきました。難しく感じる方もおられると思いますが、読んでください。これから少なくとも数十年は、確実に汚染水問題と向き合わなければいけない日本です。

【構造】
地下貯水槽の遮蔽処理に使用されたシートは、上部2層がポリシート、最下層は、ベントナイト(粘土鉱物)を縫い込んだシートの3層構造になっています(ベントナイトは乾燥状態、硬い粒状)。

【これまでの用途】
仮置き場、地下水位(←例;地下水位が高いと掘った穴の底部に貼ったシートが水浸しになるような意味。*ここが重要です)のない深さに掘り込んで、フレコンバッグ(廃棄物を入れる袋)を重ね、これをシートで覆い、30cmの土を被せる仕様として、その最も底部用に開発されたもの

【ベントナイトの役割】
バッグから放射性物質が漏れた場合(水分とともに漏れ出る)、このベントナイトが有効なバリアーとなります。この仮置き場の掘削深度の設定は、地下水位のないレベルまでとされています(現地でボーリング調査する目的は、地下水位の把握)。

ベントナイト遮蔽は、元々、地下埋設の放射性廃棄物処理場の遮蔽材の最も外側に使用されているもので(コンクリート遮蔽体の外周)、ベントナイト鉱物が3重の層状となっていることから、この層を通過しての汚染水の透水係数が極小さくなり、放射性物質の漏洩の低減化をはかるものです(遮水のためのメンブレン効果と呼称されます)。

【今回の汚染水漏れ】
今回の最も大きな問題は、地下水位のない部分の掘削等ではあったが、むしろ、その目的が、水を溜めることです。恐らく、福島第一以外に水を溜める目的の施工例が初めてなのではないでしょうか?

【ベントナイト遮蔽の問題点】
今回の地中埋設では、注水水深が小さく、徐々に溜めていくことから拘束圧力が小さく、この段階で漏水があれば(ポリシートの接合不良等で少量の漏水)、ベントナイトの膨張を許すことになり、ベントナイトがふやけてしまって、遮蔽効果がなくなることが容易に予想されます。
⇒ベントナイトは一旦吸水・膨張すると膨潤圧が大きくなっていく
⇒注水深がそれほど大きくない(=圧力がかかっていない)ため、膨潤を大きくゆるす
⇒やがて無限大に水分を吸収して、トロトロのお粥状になる
⇒多量の漏水を許すことになる
⇒基本的な欠陥と考えられる

このような施工計画では、設計にあたり、まず、遮水シートをあらかじめ圧迫して抑えておく必要があります(ベントナイトの膨潤抑制工の必要性)。このため、コンクリート等の上載荷重を効かせての併用施工(プレストレスと呼称されます)が必要であったと考えられます。ポリのシートからの漏水は、普通にみられる現象であり、このため、産廃処理場では、一般に漏水監視体制(電気伝導度での監視システム)を行っています。

●そこで疑問です
根本的な施工計画の欠陥と言えるのではないでしょうか?
そもそも(汚染でなくても)水を溜めることができるものなのでしょうか?
廃棄物を入れたフレコンバックを隔離するためのものではないのでしょうか?

●汚染水の海への流出は指摘されていた
2012年10月Scienceにて
海洋化学者ケン・ブッセラー(米 ウッズホール海洋研究所)は、青森から千葉までの県別に底魚のセシウム濃度を調べ、福島沖の結果が下がらないことから、放射性物質の流出が続いているのではないかと指摘。(以下の3枚目の図をご覧ください)
http://cafethorium.whoi.edu/website/publications/Science-2012-Buesseler-480-2.pdf

2013年3月
東京海洋大学神田穣太教授らの試算
福島第一港湾内で汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月から約1年4ヵ月間に計約17兆ベクレルの放射性セシウムが海に流れ込んだおそれと試算。東電は2011年4月に1週間で意図的に放出した汚染水放射性物質総量を1500億ベクレルと推計しているが、これの100倍以上にあたる(共同配信、以下東京新聞2013.3.24)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013032402000124.html

●貯水槽からの汚染水が海へ流れるか
東電は海までの距離があるから流出はないとしてます。たしかに排水路など経由はないかもしれません。しかし、地下へ浸透、それが海底面から湾内へ排出されることは十分に予想されます。 (産業総合研究所の論文があります)

2年を経過して、配電盤ネズミといい、おざなりな対応が生んでいる当然の帰結といえましょうか?
(以上)

第12回月1原発映画祭+交流カフェ / 舩橋淳監督を迎えて「フタバから遠く離れて」アンコール上映

昨年11月に「フタバから遠く離れて」の1日リレー上映会を開催しましたが、映画が大変好評だったことに加えて、とくに小さな会場では舩橋監督と参加者との活発なやりとりができてとてもよかったと思います。そこで、今回はいつもの谷中の家で1日2回の上映、その間に監督のお話と交流カフェを2時間というプログラムで開催することにしました。 チラシ http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-04-06.pdf

昨年末から今年にかけて福島県双葉町は激動のさなかにあります。井戸川町長の不信任案可決、町議会解散、井戸川町長辞任、町長選挙、いわき市への役場機能移転、中間貯蔵施設の問題など、まさに原発をめぐる日本全体の問題がここに凝縮されています。4月はいわき市における「仮の町」スタートの時。当日は、映画完成後も双葉郡や双葉町の人びとの記録をつづけている舩橋監督から、最新状況のお話もうかがえると思います。映画だけ、交流カフェだけの参加もOKです。ご都合に合わせてぜひお出かけください。

■日時:4月6日(土) 開場10:30
11:00~12:40 上映1
12:45~13:15 舩橋監督トーク
13:30~15:00 交流カフェ(飲み物・軽食付き)
15:30~17:10 上映2(受付開始15:10)*英字幕付き

映画「フタバから遠く離れて」
東京電力福島第1原発の事故後、双葉町(ふたばまち)は町全体が警戒区域となり、1423人が約250km離れた埼玉県加須(かぞ)市の旧県立騎西(きさい)高校へ避難、地域社会丸ごとの移転という前代未聞の事態となりました。故郷を遠く離れた土地で今も避難生活を送る福島県双葉町民の日常を9か月にわたって記録したドキュメンタリーです。
(舩橋淳監督/2012年/日本/96分/公式ホームページ http://nuclearnation.jp/

■参加費
上映1・2:各1000円
交流カフェ:飲食代として別途500円~カンパをお願いします
監督トーク:上映または交流カフェに参加の方は無料
      監督トークのみご参加の方はカンパをお願いします

■定員:各30人(要予約)

■予約方法:以下のいずれかの方法で予約してください。 続きを読む

第11回 月1原発映画祭+交流カフェ

日時:3月2日(土) 14:00~17:00(開場13:30)

「福島の子どもたちの現在(いま)、そして未来(これから) ~福島に生きる人びとと手を携え、共に歩くために~」
映像とお話:藍原寛子さん(フリージャーナリスト、福島在住)

福島第1原発事故から2年、放射能汚染に関する報道はめっきり減りました。福島の子どもたちは今どんな状況に置かれているのでしょうか?子どもたちを放射能から守るために、どんな取り組みがなされているでしょうか?福島で取材活動を続けているジャーナリスト、藍原寛子さんをゲストに迎え、取材映像をまじえてお話をうかがいます。私たちにいま何ができるかをいっしょに考え、語り合いませんか? チラシ

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藍原さんからのメッセージ
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震災後、福島県民は支援される側となって、長い間を過ごしました。今も、もちろん支援は必要です。でもこれからは支援者(東京など福島県外の人々)、支援される人(福島県民)としての関係ではなく、同じ目線でともにこの原発事故後を歩く本当の仲間になっていただきたいと思います。
福島で起きていることは、間違いなく、将来の東京でも起きます。環境汚染、公害問題にどう取り組むのか。人権、人間の尊厳が脅かされる問題にどう取り組むのか。普遍性をもって語ることが、いまいかに大事か。
福島と東京はどこも違わないということをご理解いただくことだと思います。

[藍原寛子さんのプロフィール]
福島市生まれ、元福島民友新聞社記者。マイアミ大学客員研究員。フィリピン大学客員研究員。
この間、米国の臓器移植の現状をレポートした連載や、北米に渡った福島県民の歴史をつづった連載「波涛の向こうに」などを紙上でレポート。フリーランスのジャーナリストから国会議員公設秘書を経て、再びフリーランスのジャーナリスト。現在の仕事は、日経ビジネスオンライン「フクシマの視点」、ビデオニュース「福島報告」、ビッグイシュー日本版「被災地から」、朝日新聞ウエブRONZA×SYNODOS「復興タイムズ」に定期出稿。その他、単発で河北新報、週刊朝日などに出稿。
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