原発・放射能汚染に関する勉強会のお知らせ

原発・放射能汚染に関する勉強会のお知らせです。どれも谷根千地域での開催です。
現状を知り、わからないことを聞き、対処の仕方や今後の暮し方を考える一助になりますように・・・。ぜひお出かけください。

「原発事故と私たちのくらし ~おそれて こわがらず」

7月2日(土)13:30~ 谷中コミュニティーセンター1階大広間
参加費:無料
講師:権上かおるさん(環境調査団体・酸性雨調査研究会・環境カウンセラー)
*文京・台東・荒川の各区で子育てをしている方々の企画、主催は幼稚園児のお母さんたちです。詳細はhttp://www.yanesen.net/topics/detail.html?id=364

「子どもたちを守るための学習会~浅田やすお区政報告会」

7月3日(日) 14:00~16:00 汐見小学校 一階ランチルーム
参加費 会場費・資料代 200円
講師:伊瀬洋昭(酸性雨調査研究会)
*文京区議浅田やすおさんの企画、文京区行政の報告もあります。詳細はhttp://www.yanesen.net/topics/detail.html?id=365

6月4日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)ネットワークでつくる放射能汚染の続編があす放映されるそうです。
NHK教育  2011年6月5日(日) 夜10時
続報 放射能汚染地図
ETV特集 『ネットワークでつくる放射能汚染地図
~福島原発事故から2か月~』(5月15日放送)では、福島第一原発正門から1キロ地点の住宅地の一画の土壌を科学者の木村真三氏が採取。サンプルは、プルトニウムの有無を調べるため放射線解析の第一人者、金沢大学の山本政儀教授のもとに送られた。
番組放送後、結果を知りたいという問い合わせが殺到したが、この度ようやく解析結果が出る見通しとなった。果たしてプルトニウムは検出されるのか?

さらに、木村氏のその後の調査で、計画的避難区域や緊急時避難準備区域から外れた福島県南部のいわき市で新たなホットスポットが発見され、その実態が序々に明らかになってきた。

新たにわかった汚染の実態を続報として伝える http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0605_02.html

こちらは再送ですが。

NHKスペシャル
2011年6月5日(日) 午後9時00分~9時58分
総合テレビ 検証・原発危機 第1回 事故はなぜ深刻化したのか ~危機 1週間の記録~(仮)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110605.html

2)お茶の分析試料形態でもめています。お茶には4形態あります。
生葉 荒茶 仕上げ茶 温湯溶出液
神奈川県で4月に初めて検出されたときは生葉試験でした。お茶処静岡県は、温湯溶出液での分析が経験的に行われています。

今回、厚労省から、荒茶での試験を提示され、最初は静岡県知事は反対を表明、一転して、受け入れました。
分析は食する状態に準拠が最も重要とされます。今回の一連の報道で、「なぜ??」と思っていましたが、蓮舫氏の会見を見て、「国はこんなに安全をとっているんだ」という姿勢を見せたかったのではと感じた次第です。

お茶は本来カリウムの多い植物で、今回検出されているのは葉由来であろう。しかし、溶出してのむ分には放射性物質の摂取は低いのでは、というのが、専門分野の方の見解のようです。

もっとも心配なのはコメの汚染という見解でした。私たちは、何といっても他の食品よりも摂取量が多いからです。一刻も早く田の汚染状況を把握する必要があるのですよね。お茶のように荒茶でと簡単に政治家が言えば済むことだけをしていないでほしいと思います。

5月29日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)28日、私は「子育て世代が聞きたい原発事故と私たちの生活」の講演を行ってきました。この講演には何名かのみなさまには、様々な協力をいただきましてありがとうございました。

話をさせていただくことは、こちらが学ぶことでもあります。
この参加者アンケートのなかで、「今年こどもを生んだことを後悔の日々だったが、話を聞いてこう思わなくていいと変わった」という感想が、もっともうれしかったもので、同時に、ここまで、若いお母さんを思い詰めさせる原発への怒りがさらにわいてきました。
もう一点、若い世代ですから、武田邦彦ブログの視聴率は非常に高いです。
終わってから主催グループの方々と話をしたときに、「関東地方の野菜は食べない」のような言い方は、簡単にできる。複雑な現象の説明や様々な影響を考慮した言い方は大変難しい。起こったことの解説は、わかりやすい(テレビの解説が非常に分かりにくいため)。そのあとの記述は無視する。など、クールな読み方もなされていることを知りました(もちろん信奉者の方も多いのでしょうが)。
なかでも、「母乳から検出」のときに「このお母さんはマスクをしていなかったからだ」と書かれ、ショックでお乳が止まってしまったお母さんのお話に、ほんとうに無責任な発言をすると思った次第です。

2)原発事故調査委員会委員長に畑村洋太郎氏(失敗学)就任
原発の専門性はないのに?!と聞いたときに思いましたが、東京新聞がみごとに実態を暴いてくれました。
5月27日付こちら特報部
港区のエレベーター事故の、港区の調査について畑村氏が教え子(ソフトウエア関連のデザインがおもな会社)を紹介し、その総調査費用が、1億7千万円。全国自治体最富裕区の港区はぽんと払ったようです。内容は専門家の指摘で、原因も究明されなければ、再発も防止できないものだったそう。しかもこの時、畑村氏は、シンドラー社の社内の「独立アドバイサリー委員会」のメンバーだったそう。
利益相反する仕事を受けてはいけないというビジネスの大原則をも犯しているのです。
記事とは別ですが、
六本木回転ドア事故についても畑村氏の調査は、「全解析に絶対必要なリスクアセスメントを行っておらず、さらに専門の技術をとりいれていない」という指摘も専門分野から出ているようです。
こんな実績で原発事故の検証なんて、とうていまっとうな報告がでるはずがないですよね。

3)「線量の低い原発南西地域は避難解除を」と増田先生がおっしゃていますが、以下にも同主旨の記事が。2か月も過ぎるときめ細かい対応が求められているのです。

「なぜ避難」酪農家困惑 放射性物質未検出・川俣の山木屋2011/05/29河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/05/20110529t63012.htm

4)小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ http://hiroakikoide.wordpress.com/

5)内容は不明ですが、以下があるようです。
◆NHKスペシャル
2011年6月5日(日) 午後9時00分~9時58分
総合テレビ 検証・原発危機 第1回 事故はなぜ深刻化したのか ~危機 1週間の記録~ (仮)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110605.html

以上

5月12日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)NHK ETV特集についていただいたメールです。(NHKの知人が震災後すぐ汚染覚悟で現地入りし、渾身を込めた番組です!)
福島原発事故から2ヶ月間取材を重ねた番組が今度の日曜日、5月15日に放送されますので、ご案内させていただきます。

「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2ヶ月」
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放送日時:2011年5月15日(日)22:00~23:30(90分) NHK教育テレビ
原発事故直後、元放射線医学総合研究所の研究員、木村真三さん(43歳)
は勤務先の研究所に辞表を出し福島の放射能汚染の実態調査に入った。
強烈な放射線が飛び交う原発から半径10キロ圏にも突入、土壌や植物、
水などのサンプルを採取、京都大学、広島大学などの友人の研究者たち
に送って測定、分析を行った。
また、かつてビキニ事件やチェルノブイリ事故後の調査を手がけた放射
線測定の草分け岡野真治さん(84歳)が開発した測定記録装置を車に積んで、
汚染地帯を3000キロにわたり走破、放射能汚染地図をつくりあげた。

その途中で見つけた浪江町赤宇木の高濃度汚染地帯では何の情報もない
まま取り残された人々に出会う。
また飯舘村では大地の汚染を前に農業も、居住もあきらめざるを得なくなっ
た人々の慟哭を聞き、福島市では汚染された学校の校庭の土をめぐる紛糾
に出会う。
国の情報統制の締め付けを脱して、自らの意志で調査に乗り出した科学者
たちの動きを追いながらいま汚染大地で何が起こっているのか、を見つめる。
独自データを用いた調査報道です。
    ・・・転送ここまで・・

前にも送りました、以下と関係あるのでしょうか?日曜日にじっくり拝見したいと思います。

京大の今中哲二さんらが行った、飯舘村周辺での放射線計測のレポート
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf

2)足柄茶について

 本日、環境土壌学の先生に電話レクチャーを受けました。
「お茶の生葉に暫定基準値は決められていませんが、野菜類の500Bq/kgを準用したものでしょう。しかし、セシウム汚染が単なる降下物による葉の汚染であるならば、お茶の生葉を製品にする場合は洗浄の工程があるものと考えられ、その段階で一定量の除染はあると考えられます。また、製品のお茶を飲むときには、急須に入れて、温湯で浸出しますので、この間にどれくらいのセシウムがでてくるかを調べる必要があります。しかし、一日に使用するお茶の製品はごく僅かです(植物そのものを食べるのではない、溶出率はどの位か不明だが、100%とは思えない)ので、あまり問題にならないと思います。植物としての茶が、葉面あるいは根からどの程度セシウムを吸収するかについては、小生は知りません。静岡県の茶業試験場あたりで、ビキニ事件の後に研究したかもしれません」
という見解でした。

ネットで調べ、分析値の分母は、製品の茶ではなく、生葉ということを確認しました。
(この分母の違いで10倍くらい異なることになります。想像ですが、所沢ダイオキシン騒動の元を作った報道番組はこの分母を間違えていたと思っています)

私の仕事上で他の元素ですが必須元素の場合、植物の生長点(葉の先端部など)に集中する現象を知っていました。セシウムとカリウムは挙動が似ているので、必須元素として、茶の若葉に集まるのではと推察しました。他の野菜は不検出なことも考慮しました。

以下の(あまり引きたくはないのですが)教えてgooにも同様の意見がでていました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1062066455

3)土壌汚染の上下入替について
同じく電話レクチャーで学んだことです。
「校庭の土壌上下入替は、農業分野でも「天地替え」という手法がある。一部イタイイタイ病のカドミでも行われている。日本のような雨の多い地域では、汚染物質は一般に上への移動がないため、成立する方法」
なのだそうです。しかし、
「校庭のような平滑な地面では、これも成り立つが、森林、作土などはどうするつもりだろう。極めて膨大な量であるし、立ち入りなど除去困難なところも多い。植物による除染も言われているが、その植物体の始末はさらに膨大な汚染物質を扱うことになり、極めて困難な作業」
とのお話でした。

4)津波被災地のアスベスト問題
お問い合わせを受けました。海岸沿いの冷凍倉庫などがアスベストの発生源として心配されますが、
密集度が都会地とは比べ物にならないほどなのではと思います。

環境省アスベスト予備調査結果が好評されました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13755

以上

5月11日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)土壌汚染関連
「飯舘村は昔からのやませの通り道で冷害多発地帯、克服するために有畜複合と多品目栽培農業村として自立。今回はやませの代わりに放射能の通り道。しかも南相馬市の水源地」
にいくつかの返信をいただきました。
・この指摘は、飯舘村村民の長年にわたる営農努力が、一瞬にして失われ、かつ他地区まで及ぶ放射能汚染の深刻さがみてとれる。
・これこそが、放射能汚染の実態なのに、このようなメディアの報道はほとんど見受けられない。
・補償の話ばかり出しているが、人生や社会そのものの被害に対価の補償が可能とは思えない。
などです。

2)農産物問題
今日の神奈川の茶葉からセシウムに不安を増していることと思います。 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4722604.html
私はとっさに池上先生(大妻女子大名誉教授・食品)の見せてくださったパワーポイントの表を思い出しました。
過去の調査事例でしたが、セシウム濃度が他の農産物に比べ、しいたけと茶葉の濃度が突出していたのです。吸収能が高いのでしょうか。

福島・茨城の農産物が出荷停止になった時、山下(長崎大教授)福島県放射線アドバイザーのNHKニュースで常にあった発言は、「チェルノブイリと福島の違いはロシアは農産物の検査は行っていないが、日本は検査ずみの農産物しか、市場に出ていないので安心して食べられます」と。

添付は、新潟日報の農産物検査についての記事です。やませと放射能汚染を教えてくださった野中先生(新潟大)のコメントも載っています。たとえば山形県の検査態勢はおよそ1日1点程度がやっとだそうです。やはり山下発言は信じられるものではないようです。

3)原発学習会の講師派遣
酸性雨調査研究会では、学習会の講師に呼んでいたき、その講師料や書籍販売(増田善信「異常気象学入門」など)の利益やカンパなどを被災地の支援にあてることを始めました。

講師とタイトル例です
増田善信;「福島原発は今後どうなるのか」、「あらためて問われる原発の安全性」など
権上かおる;「福島原発事故と私たちの生活」
吉田喜一;「人間はエネルギーをどう獲得してきたか」
などです。
添付は、28日に呼ばれました「やまびこ6」の会のチラシです。かわいらしく作っていただいたので、参考までに添付しました。ご要望があれば、私にご一報ください。

チラシにある、義援金の送り先の候補のひとつが以下です。

4)かくたこども&アレルギークリニック(重複で送る方もあります。ご容赦)
http://homepage2.nifty.com/smark/
酸性雨調査研究会の会員である宮城県多賀城市の角田和彦先生は、アレルギーのこどもたちへの除去食やおむつなど生活用品の配布をクリニックの診察とは別に地域の拠点として活躍されておられます。
強い余震とこれに伴う断水、停電の繰り返しで乾電池、おむつ、油を使わない昔ながらのせんべいなどを備蓄したいが、まだまだそこまで至っていないのだそうです。

本日、職場の有志で大きな段ボールいっぱいのおむつや電池は送りましたが、
まだまだ同じような状況は続くと考えます。

こちらにカンパをいただける方ありましたら、私の職場にお送りいただけますでしょうか。
107-0062 港区南青山5-1-25北村ビル
㈱アグネ技術センター
権上かおる
03-3409-5329
(郵便口座をもっていませんので、最小単位の紙のお金を普通郵便にひそませてお送りいただくのが一番手間がなくありがたいです)

以上

5月9日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)野中先生(新潟大・土壌学)のブログをご覧の方には重複しますが、以下現地調査の速報です。

5月6日~7日にかけて、日本有機農業学会のメンバー(新潟大学からは3名)、茨城大学、中央農研センター、東北農試、農村工学研究所、東京農工大学等のメンバーで現地調査と相馬町、南相馬町、二本松市の30Km 、20Km、40Km圏内農家多数と飯舘村農家から話を聞くことができました。

相馬町では水田面積の40%が津波の被害を受けて、コメの生産量では60%程度が今年作付できないとのことです。飯舘村は昔からのやませの通り道で冷害多発地地帯でしたが、それを克服するために有畜複合と多品目栽培農業村として自立してきました。今回はやませの代わりに放射能の通り道となってしまいました。飯舘村では過去の冷害が発生しやすい田んぼと土壌汚染分布に相関がありそうです。

福島県は原発問題があり、復興が大変遅れている印象です。
改めて、詳細は紹介しますが、地元農民から農業復興のための支援を求められており、土壌学研究室としては出来る限りお手伝いする予定です。

それぞれの地域で抱えている事情が異なります。画一的な対策でなく各市町村のそれぞれの地域に応じた対策が必要です。
たとえば、南相馬市では土壌汚染程度が低くても、来年以降稲作を行おうとした場合、その水源は飯舘村にあります。地形から水源地には汚染された水が集中しそうです。
飯舘村では村の微地形と現在の土壌の状況(裸地、草地、耕作地など)で隣同士の田畑でも土壌汚染程度が異なりそうです。
二本松市では森林も含めて、土壌汚染がどうなっているか、一番心配していました。きのこ・山菜に対する影響を心配していました。
なお、相馬町では津波(約15m)が来た時、津波の轟音(ブルトーザーが100台ぐらい押し寄せる音)と家がきしみ、壊れる音、人の叫び声(悲鳴)の3重の音が聞こえ、聞いた人は1カ月程度その音が耳から消えなかったと話していました。

新潟大学土壌研 ブログ http://blog.goo.ne.jp/soil_niigata
2)「最近は放射性物質の降下量は確実に減っている。堆積物の舞い上がり粉じんが大きな問題」
上記は、モニタリングの専門家の意見です。「放射性物質は、表層5mm位に薄く堆積」とも。
新潟大学ブログにもあるように「この地域の土壌は火山灰土壌が多く、飛散しやすいため、梅雨前に土を削り、管理型の廃棄物処理場に優先的に埋め立てるしかありません。東京電力が責任を持ってこれも廃棄物処理場も今から準備すべきです」
連休の最後にニュースで流れた校庭の土80cm四方の上下を入れ替える実験がいかにナンセンスかわかりますね。

3)浜岡停止がやっと確定しました(5・9)
すると、「電力不足はどうする」の大合唱になっています。NPO環境エネルギー政策研究所試算でも対応可能とされています。http://www.isep.or.jp/
【要旨】
・【短期的な電力需給】今春から夏の需要ピーク時(1 日最大電力予想=発電端で5,755 万kW)にかけて、
とくに需要側への適切な措置~特に大口需要家との需給調整契約の戦略的活用~を行えば、短期的にも
無計画な「計画停電」を実施しなくても、十分に対応可能であることが明らかになった。
・具体的には、福島第一原発と第二原発はもとより、柏崎刈羽原発を全機停止したとしても、最大で270 万
kW の供給不足に対して、以下の措置により1100 万kW 以上の需要引下げ効果が期待できるものと考える。
・家庭~50kW 未満は、一律、契約電力(アンペア数)を2割引き下げて250 万kW の引き下げ効果
・50kW~500kW は、ピーク料金を設けることで200 万kW 程度の引き下げ効果
・500kW~2000kW は、ピーク料金から開始し、順次、需給調整契約に移行して150 万kW 程度
・2000kW 超は、原則として政府あっせんによる需給調整契約によって500 万kW 程度

以上

4月26日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

1)新潟大学土壌学のHP
1960年代に行われた「放射性降下物の土壌ー植物系における汚染とその除染に関する研究」について、当時研究された先生(83歳・存命のただお一人の方)の許可を得て、野中研究室のブログで随時公開されています。野中先生のコメントもていねいに説明いただいています。 http://blog.goo.ne.jp/soil_niigata

2)校庭などの活動時間の指針を文科省が発表しましたが、放射線管理区域よりも高い濃度を許容するものと各方面から非難の声が上がっています。以下、(電子)署名活動も瞬く間に3万筆以上が集まっているそうです。

【署名】子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な決定に抗議し、撤回を要求する
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/23

3)いただいたメールです
東京の降下物中の放射性物質、過去50年とこの1カ月がほぼ等しいという結果です。
  ・・・
表から集計したところ、1957年から2010年までの核実験由来のセシウム137の東京都における降下物量の合計は、7,043Bq/m2でした。

以下のサイトから、上記の集計で使用した表を入手しました。
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/top.jsp

また、上記の原典からデータを取り出して集計していると思われる記事は以下にもありました。以下の記事では、1957~2009の東京の合計で7,095Bq/m2と集計しています。
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1428

2011年3月20日から4月23日までの35日間でみると、東京都新宿区においるセシウム137の降下物量の合計量は6,901Bq/m2です。

したがって、東京においては、過去50年間に降下したセシウム137の量と、福島原発事故以後から現在までの35日間で降下したセシウム137の量がほぼ同じということになると考えられます。
 ・・・

4)増田善信さんの講演が29日13時30分よりあります。

町田革新懇・憲法講座あらためて問われる福島原発事故と安全性

元気象研究所研究室長 理学博士 増田 善信
於;町田市文学館ことばらんど

以上

4月17日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

ようやく本日東電から6~9カ月の見通しが発表されましたが、シナリオ通り行けばいいのですが。

●東京電力「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041702-j.html

1)添付PDFは(IPCCモニタリング等値線0409)、増田先生が気象庁のホームページからとって、等値線を描いたものです。最高値47.5マイクロシーベルト/時間の地点は、100時間で4.75ミリシーベルト/時間ですから環境基準は25時間でオーバーするという強さです。すなわち、ここに1日いると環境基準をオーバーします。しかし、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授のがんの発生リスクは1シーベルト/年ですから、まだ3年近くここに滞在したときにやっとそのリスクの値になるのです。気象庁は自動的に天気図の等圧線を描くプログラムを持っているのですから、等値線を描いた図を公開すればいいのにと、先生は思っておられます。

2)増田図をいただいた後に以下がありました。ほぼ傾向は同じと感じました。
放射線量分布 北西へ飛散裏付け 福島大が地図化/2011年04月14日木曜日河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t63010.htm

3)シイタケ出荷停止
池上先生(大妻女子大学名誉教授)のお話にも、野中先生(新潟大学農学部)の中にも、しいたけは放射性物質をなぜか蓄積しやすいのお話がありました。原木栽培は特に注意ですね。

福島県、地域設定に疑問 露地シイタケ出荷停止指示/4.15河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t61014.htm

露地シイタケ出荷停止 福島東部16市町村産/4.15河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t61013.htm

4)ポスト原発
今後、「原発をなくせば、エネルギー不足になる」に対応することが必要です。
*風力・太陽光エネが原発を逆転 福島事故で差は拡大へ
2011.4.16 共同通信配信で、「米シンクタンク‘ワールドウオッチ研究所’が、2010年の世界の発電容量は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが原発を初めて逆転したとする世界の原子力産業に関する報告書を
原発は、安全規制が厳しくなったことや建設費用の増加で1980年代後半から伸び悩み、2010年の発電容量は3億7500万キロワット。一方、再生可能エネルギーは地球温暖化対策で注目されて急激に増加し、風力と太陽、バイオマス、小規模水力の合計は3億8100万キロワットになり、初めて原発を上回った」といくつかの新聞社が報道しました。元の具体的データを探しましたが、行き着きませんでした。

このニュースに対し、技術士の佐藤国仁さんから、以下のコメントをいただきました。
「原発屋は設備容量でなく、実際の発電量が重要=原発は容量×24時間の発電量なのに、自然エネは容量×天候任せ、で発電量は少ない=といつも言っています。原発はウドの大木なので、小回りがきかず、そのためベース電源とせざるを得ないという逆説でもあるわけですが)。世の大勢を反原発に向かせるには、原発抜きで実際のエネルギー供給が可能だということを知らせることが最も重要とわたしは確信しているので、その点から、この情報の重要性は大です」

増田善信さんからは、
「この資料は原発の発電量が小さいように思えた。原典を確認したいが、できていない。世界全体ではそういうことがいえるかも知れないが、先進国はまだまだ原発に依存せざるを得ないのではないでしょうか。ドイツはいいかも知れませんが、フランスは恐らく当面は不可能でしょう。先進国のCO2をどう減らすかこれが課題だと思います。
『原発なしで電気は賄えるか』という問題では、2006年と2007年の2年間の毎日の最高電力のグラフから、夏の一時期、大工場、大オフィスの休日をウィークデーに回せば、カツカツで可能なことは毎回話していました。今回の計画停電の提案もそれを根拠にしたものです」とコメントをいただきました。

-以上-