2012年3月25日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

放射線の健康影響への不安は、どなたもお持ちだと思います。(「私は関係ない」と会話も成立しない方の多くもおびえている裏返しの方も多いです)

まして、小さなお子さんのお父さんお母さんの心配を思うと本当に辛いものがあります。
専門家からの発信も様々で、さらに不安が増します。
しかし、不安に陥るばかりでは、子どもたちを守ることはできません。
警告の主旨を、危険性を、知ることから始めましょう。3つの意見を以下に貼りました。
参考のひとつになさってください。 続きを読む

2012年3月10日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。

今日は東京大空襲で下町を中心に10万人の命が奪われた日、そして、あすは、3.11です。被害にあわれた皆様のご冥福を祈り、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。いまだ事故前の生活に戻れない方々がおられることを決して忘れてはならないことを再確認したいと思います。

●放射性ヨウ素による甲状腺被ばく
先日、地下鉄で若い女性の会話が耳に「チェルノブイリ事故の健康被害は子供の甲状腺ガンだけだから・・」と。正しくは、「小児甲状腺ガン以外の健康被害は当局が認めていない」だけなのです。以下関連2件。

1)放射性ヨウ素の甲状腺被ばく―弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授ら
http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY201203090004.html
以下抄録
最高87ミリシーベルト(浪江町成人)50ミリ超え5人も
事故の約1カ月後に行った住民65人の測定結果を分析。被曝した人の約半数が10ミリシーベルト以下だったが、5人が50ミリシーベルトを超えていた。

2)ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図5 埋もれた初期被ばくを追え」
放送日時:2012年3月11日(日)22:00~23:29(89分) NHK-Eテレ
子どもたちの甲状腺の異常の有無が焦点ですが、事故直後、人々がどれだけのヨウ素131を吸入や経口で摂取して、内部被ばくしたのかを割り出す、肝心なデータを持っていないため、手探りで検診を続けている状況です。「データの空白」の背後にある謎を取材班は当事者への直撃取材などで、徹底取材でスクープ満載の89分だそうです。
ぜひご覧ください。

●水俣と福島に共通する10の手口
世界に水俣病の悲惨な状況を発信し続けた、写真家故ユージンスミス氏夫人アイリーン・美緒子・スミスさんの言葉です。

1.誰も責任取らない/縦割り組織を利用する
2.被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3.被害者同士を対立させる
4.データを取らない/証拠を残さない
5.ひたすら時間稼ぎをする
6.被害を過小評価するような調査をする
7.被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8.認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9.海外に情報を発信しない
10.御用学者を呼び、国際会議を開く
(毎日新聞2012.2.27)
以上

2012年2月26日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です
(長くなりすいません・転送自由・不要の場合ご一報を)

1月31日、福島県川内村の遠藤雄幸村長はいちはやく「帰村宣言」をしましたが、その直後、毎日新聞の報道によると、この村のミミズから2万ベクレル/kgが検出されています。そんなに簡単には行かないことを示しています。
東京でも水元公園で2万ベクレルを超える場所も見つかっています(共産党都議団)。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-22/2012022215_01_1.html
オリンピックなんて誘致している場合でしょうか。

●現地除染は、「屋根取り替えろ、舗装し直せ」
この発言は、昨年の国会証言で一躍著名になった児玉龍彦氏(東大)です。(2月11日南相馬市「南相馬市世界会議」にて(貼りませんが動画もあります))氏は「決意と覚悟をもってコストをかけた除染へ」と題して、二本松市における除染モデル住宅地での成果から、
(1) 1μSv/hでの屋根の線量低減効果は期待されないので、葺き替えること。 →Sハウスが提案・実施。
(2) 同様に、アスファルト・コンクリート舗装面は、舗装のやり直しをすること。 →Mホームが提案・実施。
氏はT工務店の顧問でもあるそうです。
南相馬市の除染業務(4月から)は、福島県の2700億円の予算のうち、400億円でゼネコン1社が落札する予定。現在6社?が公募に応じ、2月末には業者が決定とか) 続きを読む

福島にとっても近い宮城/丸森から /森まゆみ

私が5年間、畑を借りていた宮城県丸森町は宮城県の南端で、地図で見ると福島県に陥没したような所です。里山で地震での被害は相対的に少ないのですが、南相馬からの避難民を受け入れ、峠を越した山元町、新地町などからも避難者を受け入れてきました。

その後、放射線値が場所によってはかなり高いことがわかりましたが、「福島県ではない」ので県に放射線値をちゃんと測ってもらえず、町独自で東北大学にお願いして計ってもらっているそうです。役場前では0.12μSv/hですが、県境の山林では0.6μSv/hも出ているところもあります。日々変化はありますが。

その筆甫というところで味噌造りをしているIターンの太田さん一家は、考えた末、できるだけ気をつけながらそこに留まることを選びました。そこで豆から作った味噌はとってもおいしいです。いま売っているのは原発事故以前に仕込んだもの。今年の仕込みについても茂樹さんは深く考え、精密な計測をし、これでいけると納得してはじめています。長崎の原爆のあと、浦上第一病院の秋月辰一郎医師は被爆した患者に『わかめのみそ汁」を飲ませて効果があったといわれています。くわしくは
東日本大震災と原発事故について http://www.h2.dion.ne.jp/~soyamiso/daisinsai.html

太田茂樹さんたちは福島にくらべて対策ができていない宮城南部のこどもたちを守るため、『子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」をつくって計測、除染や講演会を催しています。子どもたちが危ないのは福島だけではありません。京大原子炉研の今中哲二さんの講演会なども催しています。詳しくは
ひっぽの元気な味噌SOYA公式ホームページ http://www.h2.dion.ne.jp/~soyamiso/

2012年2月5日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

皆さま
権上です。

●しつこく花粉のこと
<最近は、花粉の質問が多いのです>
pHの低い雨、酸性雨の影響は、葉の大きな広葉樹よりも針のような葉の針葉樹の方が影響が大きいのです。その理由は、針葉樹の方が合計の葉表面積が大きいからと言われています。放射性物質でも全く同じことが言えるようです。

2012.1.15付読売新聞によると
針葉樹の葉の汚染(スギ4万~6万弱ベクレル/kg)/広葉樹(1.5万ベクレル/kg)=約3:1(セシウム137)
と葉の汚染は、圧倒的に針葉樹の方が高いのです。(逆に根元に積もった落ち葉層(リター層)は広葉樹の方が高い)

葉だけではなく、実際に様々な線量を測っている方のお話では、がさがさした樹肌は、やはり線量が高いと。私たちの髪の毛のキューティクルに引っ掛かるのと同じ理由なのでしょう。

林野庁の試算(2011.12.28発表)では、

「雄花に含まれるセシウム134及びセシウム137・平成23年11月25日~平成24年1月31日・福島県内の87箇所の調査結果の中間報告
濃度が最も高かったのは浪江町小丸のスギ林で、1キログラム(乾燥重量)あたり25万3000ベクレル(福島県内4箇所もおよそ同程度のレベル)

最高濃度(25.3万Bq/kg)を花粉を人が吸い込んだ場合の被曝線量を試算

花粉シーズンの4か月間(120日)に毎日24時間吸い続けた場合は0.553マイクロシーベルトであり、
東京都新宿区で今月20日に観測された1時間当たりの放射線量0.053マイクロシーベルトと比較した上で、人体への影響は極めて低いとしている」

と、発表してはいます。(以下算出骨子)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/pdf/111227-02.pdf

やはり、東京より1桁高く、体の粘膜へ直接運び込みシステムであることに違いはありません。花粉情報に注意し、外出時には花粉症の有無にかかわらず、マスクをとなりますね。セシウム対応マスクも早くも発売されているそうです。価格は2倍だそう。これが必要か否かは判断できませんが。

花粉情報は、昨年みなさんに被災アレルギー児の支援をお寄せいただいた角田先生がご自宅の庭で毎日観測、結果を以下のHPにアップされています。環境省HPとあわせご紹介します。生活の中で、被ばくの確率を下げる努力をしていきましょう。

かくたクリニック(宮城県多賀城市)の花粉計測情報
http://homepage2.nifty.com/smark/

環境省花粉観測システムはなこさん
http://kafun.taiki.go.jp/index.aspx

●肥田舜太郎さんのお話
広島の陸軍内科医であった入市被曝された肥田先生の講演を聞く機会がありました。94歳とは思えない肌の色、まっすぐの姿勢、1.5時間立ちっぱなしでの講演でした。
・自分自身の人権を意識し、抵抗し、闘って生きてこそ、人間として死ねる時代になってしまった
・それそれ自分のひ孫に当たる世代のために今できることをそれぞれが努力していこう。
・便利さだけを求めない
・体の抵抗力、免疫力を高める努力を
・人類は40億年以上前から強い紫外線と放射線と闘って今日を築いた
・ここに学び太陽とともに生活することを原則に。早寝早起き、米飯は30回以上噛んで消化酵素を十分に食材に混ぜる

ゆっくりと心に沁みこんでいくお話でした。

以上

「原発」都民投票実現にむけた署名ができるところ

都民投票(国民投票ではない)については、東京「原発」都民投票 をお読みください。

近隣ではこんなところで署名ができます。2012年2月9日が締め切りなのでお早めに。

<文京区民のみ>

駒込大観音 光源寺 島田冨士子
TEL/FAX:03-3821-1188
〒113-0023 東京都文京区向丘2-38-22

JAZZ 喫茶『映画館』
〒112-0001 東京都文京区白山5丁目33-19
03-3811-8932
15:00~23:30 日・祝休み

<北区民のみ>

古書ほうろう
〒113-0022 東京都文京区千駄木3ー25ー5
tel./fax. 03-3824-3388
月~土 12:00 ~ 23:00  日・祝 12:00 ~ 20:00
毎週水曜日定休

<台東区民のみ>

喫茶 谷中ボッサ
台東区谷中6-1-27
(カヤバコーヒー4軒となり、愛玉子ななめ向かいです。)
12:00~20:00(火曜定休)
03-3823-5952

<豊島区民のみ>

ステンドグラス工房「時屋」
豊島区雑司が谷3-22-9
電話03-6319-5177

追記、変更

2012.1.16 豊島区民のみ、時屋を追加しました。タイトルが国民投票となっていましたが、正しくは都民投票です。以上追記・訂正しました。

2012年1月9日 おそれて、こわがらず / 権上かおる

みなさま
権上です。
本年もよろしくお願いいたします。
(添付ファイルをつけざるを得ず、ご容赦)

●出版物について
昨年の4月~11月に出版された書籍770点のうち、実に40%が原発・放射線関連本だったそうです。(出版科学研究所調べ)

私が、正月中に読んだ「こうして原発被害は広がった」は、お勧めの1冊です。
訳もよく、チェルノブイリ事故についてドキュメンタリー感覚で、読ませます。
(「チェルノブイリ刻一刻」の復刻版ですので、これを読まれた方は重複します) 続きを読む